この文を書いている今は水曜日である。
水曜日は通常、卸売市場の臨時休市日にあたり、うちの社も休業日となる。
だが今日は開市日であり会社も営業している。
祝日や振替休日がある週は、水曜日が休市でなく開市となる。
こういう週は年間で10週ほどある。
しかしこの日は営業しても「暇だ」「静かだ」「休めばよかった」となるケースが多い。
理由は簡単、お客さんが来ないからだ。
お客さま=小売店側には「水曜は休市」という意識が定着している。
日曜と水曜は市場に行かないと決めてしまった方が週間の業務パターンがルーティーン化するし、いちいち市場カレンダーをチェックする必要もなくなる。それでも仕入に何ら支障は出ない。よって水曜開市は卸・仲卸にとって開店休業に近い状態になる。
この傾向は何年も前から指摘されてきたことだ。
ならば、川下(=小売店)のニーズに合わせて毎週水曜を休市に固定し、あとは
①世間一般の祝日・振替休日は開市にして営業するか
②祝日・振替休日も休市にするか
の2択で議論すればよい。
近年の風潮では②の方が優勢かもしれない。
(私の感覚では正直「また休み!?」と年中休みだらけに感じてしまうが。)
水曜を必ず休みにしたほうがよい、というのは現場で働く人びとに共通した認識だと思う。
もちろん、川上(=青果物を出荷してくれる生産者)あっての市場だから、彼らの理解と協力は得なければならないが、①も②も考え方は極めてシンプルであり、現在のイレギュラーな決め方よりも理解はむしろ得られやすいだろう。
だが実際はそうなってない。それどころか東西で休開市の食い違いが何日も出ている。
水曜開市のたびに現場からは「仕事にならん。だから休めばいいって言ったじゃん!」と恨み節が出る。
暇を持て余しモチベーションを低下させるよりは、と仲卸の中には開市日でも役員や従業員を休ませる賢いところもある。
このように毎年同じ轍を踏むのはどうしたわけか。
きっと、現場から離れたポジションの人が休開市を決めているのだろう。
あれこれ理屈はあると思うが、肝心の川下のニーズ・現場の声を聞いていない気がする。
業界の硬直はこうしたところに現れる。
毎週、日曜と水曜を休市にする。
やってしまえば2~3年経たずして当ったり前の市場常識に定着するはずだ。
簡単なこと、シンプルなことはサクッとやってしまおう。