自閉症の天才イラストレーター 松元伸乃介さん来社

イラストレーターの松元伸乃介さんがお母様の聖子さんと来社されました。 来年のカレンダーの打合せのためです。

2011年から会社カレンダーのイラストを伸乃介さんにお願いしています。
おっ!たった今気が付きました。
来年のカレンダーが記念すべき10作目なんですね。

今回はわが社自慢のうら若き才女4人がアイデアを出しあってテーマと構図を考え、伸乃介さんにオファーする方式で製作が進みました。
今まで数々の名作が産み出されましたが、今度のもすっばらしいです。
今はネタばらしできませんが、来年と言えば当然あれでしょうかね…。
…ま、完成乞うご期待です。

松元伸乃介さんは1989年に生まれ、3歳の時に重度の知的障害と自閉症の傾向が強いと告げられました。
しかし彼には特別な才能があったのです。

小さいころから動物の絵に強いこだわりを持ち、人間を描く時もなぜか動物で表現します。
彼の目には何もかもが動物に見えるのでしょうか。
とにかく来る日も来る日も書き続けました。

今では毎晩、母・聖子さんが営むお店に一緒に来て、お客さんの要望に応えて似顔絵をサービスで描いてくれます。
もちろんその似顔絵は動物の姿として。

地元テレビ局が全面的に応援してくれたこともあって話題となり、絵本を出版するなどして活動の幅を広げ、気が付けば絵を描くことが仕事になっていました。
正面切って「金沢在住の、自閉症の天才イラストレーター」という触れ込みでデビューしたのです。

絵を描いてほしいクライアントの意向を彼にわかりやすく伝える、言わば通訳係が母・聖子さんです。
うちの会社の人間は聖子さんと昔からお付き合いがあったので、伸乃介さんのことも小さい頃からよく知ってます。

2019年のカレンダー。 テーマは伸乃介版「アベンジャーズ」です。

2010年、会社はそれまで永年お客さんに配っていた「日めくりカレンダー」をやめることにしました。
理由は、製作費が高くつく割には人にあげても喜ばれないことでした(苦笑)。

でもな~、代わりに何もないのもまずいな~、フルーツの写真とか、それをほおばるキッズの写真とかを適当にあしらって、一枚もののカレンダーでも作ろうかな~、でもそれってうちのイメージじゃないよな~
なんて私はうじうじ悩んでいました。

2019年カレンダーの原画

…そ・の・時!

私は天啓に打たれたのです。
と言うと大げさですが、その時はそう感じました。

-伸乃介に描いてもらおう。
それも、得意な動物に加え、野菜やくだものもからませる。
それならうちだけのオリジナルになる。-

地元・金沢の絵描きで、しかも一種特異な存在で、昔からよく知ってて、老若男女が親しめる楽しいタッチで、完全オリジナルで、野菜くだものが溢れてるカレンダー!!
これ以上にうちらしいカレンダーはあり得ません。

断言します。
入社以来、私が会社に貢献できた最大の仕事が「伸乃介起用」です。

今日のミーティングで結局、私はダメ出しをし、一から描き直しをお願いしました。
来週から海外旅行を控える彼を今晩から徹夜で働かせてしまうかもしれません。
伸乃介さん、お母さん、本当に申し訳ありません。 でも妥協せず、今回も最高の作品にしあげましょう。

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