中国産マツタケは北朝鮮から?

9月前半、「今年は国産のマツタケが豊作だろう」と聞いていた。
松茸は栽培するものではなく、生えたモノを採るものである。
なので豊作かどうかはそれまでの気象条件を分析して予想する。

なんでも夏場の気温とか、雨の量とか、山の手入れ具合で発生量が変わってくるし、タイミング良く地震や台風があって木が揺さぶられると、それが松茸の菌にはいい刺激になって発生が促進されるのだそうだ。

雷が落ちるといい、という話も有名だ。
電気が地上に流れると、菌床が刺激されて量が増えるとよく言われる。

しかし、どうやら今年は国内産のマツタケが不作のようだ。
栽培物でないとはいっても、やはり人が丁寧に山の手入れをしているかどうかで大きく違う。
さらに近年はイノシシの被害が急増している。

石川県は穴水・珠洲といった奥能登が松茸の産地だが、イノシシの数は増加の一途であり、畑は電柵で囲うことが農家の必須作業となっている。 しかし山の世話までは手が回らないのが現状だ。

そこで、輸入物に頼らざるを得なくなる。
時期によって、松茸は本当に様々な国から入って来る。
中国、韓国、アメリカ、カナダ、メキシコ、ロシア、トルコ、モロッコ、ブータン…

本当にこれは松茸か?と半信半疑になってしまうほど形も色もまちまちだ。

で、北朝鮮である。
ご存知のとおり日本は北朝鮮と国交はなく、すべての品目で輸出入禁止措置になっていて、輸入は2007年からゼロである。

ところが、中国産として入っている松茸のかなりの量が実は北朝鮮からの偽装で入っているものではないのか、という疑いがあるというのだ。

この話が本当ならば違法だ。
実際過去には、為違法違反の疑いで朝鮮系輸入商社の代表者が逮捕されたこともある。
しかし、この偽装問題は簡単には解決できない。

中国産松茸は雲南省と吉林省が二大産地である。
この吉林省と、松茸産地である北朝鮮東北部が地続きで、産出される松茸自体は同じものだ。
つまり検査をしても中国産か北朝鮮産か、科学的には判明できない。

日本側とすれば、産地証明書がきちんとしていなければ問題なしとせざるを得ない。
吉林省産の松茸は日本のものに形や食感が近く、品質は良いから引き合いは強い。
だからかえって不正が横行してしまうのか。

松茸を資金源にしてミサイルが作られ、それが日本海沖に飛んできているという人もいる。
それが本当なら、卸売会社も片棒かついでいることになる。とんでもないことだ。

輸出商社に対する厳しいチェックは当然必要だ。
どういうエリアからどういう方法で集荷してくるのか、買い付ける側は確認を徹底した上で輸入する慎重さが求められるだろう。

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