金沢のホテルはまだ伸びるのか、供給過剰か

北陸新幹線が開業したのを機に、金沢市内はホテルの開業ラッシュが止まらなかった。
2019年7月時点で客室数は1万273室(北國新聞の記事による)で、建設中で1年後にはオープンする部屋数がされに1600室。人口が5倍の名古屋市を超す勢いだそうだ。

しかし、一方では、すでに供給過剰に陥っており、低価格競争に入るのではないかとの予測も出ている。
今年の夏休みの客室稼働率は70%で、昨年同時期よりも10ポイントほど下げたとの調査結果が出ている。

しかし、まだこれから建つ予定のホテルがたくさんある。
なぜか。
今まで進出を見合わせていたホテル会社が、金沢の想定外の人気ぶりに慌てて開業に踏み切ったとの説がある。

観光客は確かにまだ多い。
2、3年前は中国人や台湾人が圧倒的に多かったイメージだが、ここ1、2年は欧米人の方が目立つ。
いずれにせよ、彼らはあまり料理屋では食事をしないそうで、コンビニに長蛇の列をなしてホテルの部屋で済ます。

食を楽しみにしないなら、金沢に来る意味はどこにある?と地元の人間はつい思ってしまう。
本当に彼らは何を目当てに当地に来たのか。何が魅力なのかここに住む人間には実はよくわからない。

新幹線開業前は、その絶大な効果を期待しつつも、金沢人は心のどこかで「ブームはそうそう長くは続かないぞ。浮かれるなよ…」という自制思考があったように思う。
この慎み深さ(?)はおそらく金沢人の性格だ。

案外、その遠慮の加減が観光客に受けていて、観光地としての人気を持続させているのかもしれない。

が、さすがにホテル数は過剰だ。
あまり極端に暴落、没落することなく、金沢らしい適度なレベルでソフトランディングしてくれればよいと思う。