会社が昨年の平成30年(2018年)から始めた事業に農業参入があります。
子会社として農業生産法人「ファーム菜四季」を立ち上げました。
今、金沢市の河北潟に2町歩、能登・穴水町に4町歩の地面を借りて、直営農場としてカボチャを中心とする園芸作物を生産しています。
さらに、穴水町ではJAおおぞらと提携し、石川県のファンドを利用して5年間で25棟のハウスを建て、アスパラガスを生産する計画です。
青果の卸売会社が農業生産に進出したのには理由があります。
一言でいえば年々厳しさを増す流通環境を打開し、新たな武器を手にするためです。
市場同士の厳しい競争に打ち勝つためには、うちにしかない個性的商品が必要です。
それには地場農産物が一番わかりやすい。
うちのファームだけで十分な量を生産できるわけはありません。
しかし、モデルケースを作ることはできます。
この野菜をこう作ればうまく美味しく仕上がる、それをこの価格でここの小売に売ってもらう、という生産から販売まで一気通貫のモデル。
その成功事例を一つ作れば、それを近隣の農家や農協に広げていくことができます。
出来たものは本社が全量買い取れば、生産者は安心して作ることができます。
こういうコンセプトのもと立ち上げたのが子会社ファーム菜四季です。
でも、農業の難しさというものを最近、骨身にしみて感じています。
思いもよらない病気の発生、天候不順は当たり前のように襲ってきますし、作付け計画を立てたはいいけれど実際にやってみると現有人数ではとてもこなせない、といった問題にも直面しています。
うちの農場で採れたブロッコリー、食べるととてもおいしいんですが、その裏には数限りない失敗の繰り返しがあるんです。