■週の概況 第45週 11/5~11/9
【総論】
北海道方面から寒気が下りてきており、この週は腫れる日が多くなるものの気温は一段階下がり、朝晩の冷え込みは厳しくなってきます。一日の寒暖差もこれまで大きくなるので、遅れ気味だった青果物の着色も回復してくると同時に、煮炊き用食材の需要が高まって来るでしょう。
台風15、19、21号で農業の被害総額は2100億円超と発表されました。ただし内訳を見ると多くは米とハウス等の損壊です。園芸作物ではリンゴ園の被害映像が大きく報道されているものの、青果物の流通量は基本的には潤沢です。この週は品目によって小幅な値動きはあるものの概ね保合で進展すると思われます。
【野菜】
葉茎菜類では、今まで安値感が強かった白菜・キャベツが産地の切り替わり時期を迎えるために底上げの予想です。特に気温の低下を受けて白菜の動きは良くなってくるでしょう。ネギは保合ながらやはり消費は活発化する見込み。菌茸類は季節物(地物のマツタケ、原木なめこや種々きのこ類)は終盤に入り数が減っていきます。
果菜類はなすが数量減でやや上げ模様である以外は、保合もしくはやや軟調。カボチャは国産が終了し輸入物のシーズンとなります。
根菜土物類は品目によってまちまちです。高値感があるのがカブと里芋で、台風被害から入荷不安定かつ高値保合の様相。反対に安値感があるのはごぼうと人参で、昨年の半値以下にまで低迷中です。人参は帯広産が潤沢に残っており、端境・品薄となる時期がなく潤沢です。大根は千葉産が中心となりますが台風被害のない銚子からなので物量に問題はなし。蓮根は値ごろで前売りは活発化の予想。甘藷は掘り込み時期で少なめ。輸送が混乱した北海道産タマネギ・馬鈴薯は概ね回復し、入荷安定で価格はやや下げの予想です。
【果実】
みかんは早生種となりしたが、色付きは遅れ気味であり、やや不足感がある展開です。リンゴは主力のサンふじが出回る前の時期にあたり、中生種がしのぎを削ります。シナノスイート、ゴールド、秋星(終盤)など食味は良し。柿は地物の紋平柿を筆頭に和歌山平核無、福岡冨有、石川の渋柿など種類豊富です。イチゴがこの週から微量に出始めるかもしれませんが、ある程度の量となるのはその翌週からの見込みです。
輸入果実は安定した入荷です。バナナは入荷数量が回復しており、前週よりも潤沢かつ価格も下げの予想です。