どこの会社でも似たような話をすると思いますが、会社の業績を測るうえで「売上(金額)」と「利益」はどちらが大事なのか、という問題があります。
わたしの業界ではこれに「取扱数量(略して「数量」)」を加えて、数量(t)・金額(円)・利益(円)の3つが指標でよく取り上げられます。
利益÷金額の「利益率」もよく登場しますが、これは計算で出る数字なので横に置きます。
営業にとってこの3つは厄介なものです。
なぜなら、それぞれに目標が設定され、数量が良くても「金額が足らん」と怒られ、「金額」が良くても「利益がない」と怒られ、上司の都合のいいように常にチクチクやられる材料になるからです。
一番大事なのは何なんだ、優先順位はどうなんだ、はっきりしてくれ。
営業さんは会社にそう言いたくなるでしょう。
私がむかし聞いたことがある経営陣からの答えは
「3つとも全部大事」。
笑かす気か、でもおもろないし笑えんわ。
とまた営業さんは言いたくなるでしょう。
そうなんですが、自分がいざ経営側に立ってみると「3つとも全部大事」というのは、まあそう言わざるを得んわなぁと思います。
でもせめて、3つはどう大事なのか、つまり意味ですね、それぐらいは説明できなければいけません。
1)「利益」は会社存続のため
利益は、会社が未来も存続し活動を続ける上で絶対に必要なものです。
利益がなければ会社はつぶれます。
儲けないと社員の給与を増やせません。
社員が裕福になるためには利益が必要です。
2)「金額」は会社を大きくするため
利益が出ていることが前提になりますが、金額が大きい=会社が大きいということです。
会社は大きい方が信用が増します。
取り引き先との商売がしやすくなり、顧客を獲得しやすくなります。
資金調達がしやすくなり、事業をしやすくなります。
3)「数量」は集荷・販売力を示す
青果物卸売業の言葉で表せば、数量は集荷力・販売力を示します。
売上金額はその時の相場(単価の高い安い)に左右されます。
しかし数量はまさに売りさばいた量、目方そのものです。
売る力と言ってもいいでしょう。
今、青果卸売業界は競争が激しく、また、販売環境も苦しい状況が続いています。
えてして「数量」は軽視されがちですが、この苦しい時代だからこそ、数量を伸ばさなければ将来生き残れないのではないかと危惧します。
金額が横這いに見えても、数量がじり貧になっている現状を大きく憂えなければいけません。
勝手に3番目の優先順位にしてきましたが、意識を転換しなければいけません。
「量は力なり」です。