青果物の週間情報 【2019-W48】

【総論】
 冬型の気圧配置で冷え込みは厳しくなってきたので、煮炊き用商材の需要は高まっています。しかし日によって温度差が激しく、寒暖と天気がコロコロ入れ替わるため、青果物の販売は今一つ焦点が絞れない状況が続いています。
 青果物は野菜・果物ともに大きくひっ迫した品目はなく、概ね順調な入荷見込みです。昨年は11月前半まで野菜が高値相場で、後半から大撃沈の年でした。よって現在は前年に比べれば単価高に転じています。しかし平年比で見ると今は極めて常識的なレベルの相場であり、高くなったと思うのは勘違いです。この週の市況は品目によって上げ下げのばらつきは出るものの、そう大きな変動はなく小幅な値動きになると予想します。

【野菜】
 ほうれん草や小松菜といった菜類は、台風の影響で関東産が薄いことから全国的に供給不足となり高値感あります。また、生育期の長雨や曇天続きの影響でトマトの量も少なく、高値基調がしばらく続きそうです。
 それ以外の野菜は概ね順調です。白菜・人参・馬鈴薯・玉ねぎといった、これまで安かった品目はゆるやかに相場は上がり、逆に大根・かぶ・ブロッコリーといった、やや高値感のあった品目はゆるやかな下げを見込みます。つまり全体的な市況は平年並みに落ち着いてくると予想します。
 地元石川県産の野菜は、きゅうり・太胡瓜・茄子など終了する品目がある一方で、ネギやかぶ、ブロッコリーは今が旬。また、金沢春菊・一本太ネギ・のと115しいたけ・加賀丸いもなどこれから増えてくるものも多いです。そして当然ながら加賀れんこん・さつまいも・源助大根は中心的な存在であり、地元のブランド野菜は種類豊富に出回る予定です。また、この週から冬の名物・干し大根も始まるでしょう。

【果実】
 柿、りんご共に今年の傾向として着色遅れが指摘されています。昼夜の寒暖差が少なかったために色づきが進まず、ここまで出荷量は平年より少なめの推移です。みかんは早生のピークで回転も良いですが、先日から静岡県などで雹が降り被害を受けました。年末年始にかけてみかんの物量が減り、相場も上がる可能性があるので今後の情報にご注意ください。干柿では能登の「ころ柿」の個選物が始まりました。この週28日から志賀共撰が始まります。イチゴはこの時期にしては潤沢な出方を見せ、一般家庭向けの販売も拡大できる様相ですが、逆にX’mas前後に谷間が来る恐れも出てきました。
 輸入フルーツは全般的に安定していますが、アボカドやキウイは大玉が不足気味。またブドウは晩生に移行し、原価上昇から販売価格も上げ模様となります。