石川県能登地方の志賀町(しかまち)の特産品、「能登志賀ころ柿」の共選初出荷がありました。
最後、桐箱に入った12個入りは20万円!
青果専門商の「堀他(ほりた)」がせり落とし、金沢の老舗料亭「銭屋(ぜにや)」に納品されました。
昨年が15万円でしたから、今年また歴代最高値を更新したことになります。
能登志賀ころ柿は、昔からこの地の特産品でしたが、平成28年(2016年)10月に国の「地理的表示保護制度(GI)」に登録されました。
それを機に、また一段格上のブランド品として価値を高めようという機運が高まっています。
ころ柿はとても美味しいのですが、上等品になると一箱20個入りぐらいで5000円前後します。かなり高価なもので、家庭で手軽に買うにはちょっと敷居が高くなりすぎた感があります。
まあ、化粧箱に入らないパック品が個人物(農協の部会に属さない生産者)でありますので、自分が好きで食べる分にはそういうものをお求めになればいいのですが。
この初せりのン十万円というご祝儀世界は今後どうなっていくのでしょうか。
ルビーロマンを筆頭に、のとてまり、加賀しずく、紋平柿、加賀丸いも、そしてころ柿が「今年は誰にいくらで?」と話題になります。
ではりんごの秋星(しゅうせい)は?加賀野菜は?
それらは、特に初ものに破格の値がつくことはありません。
そこに何か明確な理由があるわけではありません。
作り手、売り手、買い手の思いで、たまたま期待感が高まった品目にそういうストーリーがついたりつかなかったりする世界です。
ころ柿が20万円、先日の丸いもが2万円。
ではころ柿の価値は丸いもの10倍あるのか、というとそういうものではないことは大人ならば誰でもわかります。
いくらで誰に?はそろそろ卒業して、もっと違う手法で地域ブランドを盛り上げる方向に変えていくべきでしょう。
それが何か、ということまではまだ思いつかないのですけど。