妻がインフルエンザにかかりまして

「風邪ひいたかも」
表情はトロンとしているが顔が赤い。
額に手を当ててみると熱い。

「熱がある。インフルでねーか?」
「何日も前から喉が痛い。インフルっていきなりガーッって来るから違うんじゃない?」
「まあ、明日医者行ってみー」

・・・というわけで医者に行ってみると見事にインフルエンザに罹患していることがわかった。

妻は一般的にかなり健康な部類に属すると思う。
変な病気になったことも、何日か寝込んでしまったことも、結婚して20年経つが記憶にない。

さすがに昨日と今日はぐったりしていて、いわゆる“使い物にならん”状態になっていた。
何年に一度、あるかないかのことだ。
こうなって初めて、妻がひごろ健康で元気であることのありがたみがわかる。

こんな時ぐらいはゆっくり休んでもらい、爺さん婆さんの食事は私が適当に惣菜を買ってきて何とかしようと、早めに家に帰った。
すると妻の母が台所に立っており、せっせと動いている。

娘のピンチにすかさず登場し、代わりに夕飯を作ってくれているのだ。
その手際の素早いこと!

お母さん、そんな、悪いですよ。申し訳ありません。
と言うか言わないうちに5品ぐらいをチャチャっと作り上げ、 「それじゃ」と帰っていかれた。

母は強し。
母の母はさらに強し、であった。