かぶらのこと

石川県加賀地方には伝統的な食として「かぶら寿司」があります。

金沢の冬を代表する料理で、お正月にもよく食べられます。

かぶらに切れこみを入れて塩漬けにし、同じく塩漬けにしたブリの切り身を挾みます。

米麹を加えて重しをかけ、数日漬け込むことで独特の風味を楽しめる発酵食です。

かぶらとしては「百万石青首かぶ」または「青カブ」を使うのが本道とされていますが、青カブは作るの難しく、今ではほんの数件しか作り手は残っていません。

また、青カブは、それ以外の用途には向かないため、生産農家は次第に減っていったという経緯があるようです。

金沢では冬季にかぶらの生産が盛んです。

五郎島さつまいもや大野の醤油で有名な北部地域と、金沢で最大の農業地域である打木・安原地区を中心とする南部地域がかぶら生産の中心地です。

特に大野のかぶらはその肌のきめ細かさ・色の白さで絶品です。

そんな地元の誇れるかぶらですが、今年は特に安くて生産者や市場関係者は頭を悩ませています。
今年の特徴はとにかく太りが良すぎることです。

基本的に野菜は大きく、太く育つことはいいことなんですが、あまりにそれが行き過ぎると値崩れを起こします。

不思議です。
今年は干し大根も同様に太すぎるものが多く、太いものは干し上がりが悪いとのことで値段が安くなりました。

小玉傾向だからダメ、という品目が出たかと思えば、大きすぎてダメという声も聞こえてくる。

野菜の品質と相場というのは本当に難しいものです。
ちょーどいいぜっ!と調整できるものなら、商売はかなりやりやすくなるんですがねぇ・・