本日、原木しいたけ「のと115(いちいちご)」の特秀品「のとてまり」の初せりが行われ、最上級プレミアムが25万円でせり落とされました。
市場流通9年目で9年連続の歴代最高値更新です。
特製桐箱の中に6個入りですから、1玉あたり4万円以上となります。
こんなもん誰が買うんじゃい!? ご心配なく。
ちゃ~んと需要があるから、この価格で売れたんです。
せり落としたのは青果専門商「柿市商店」さんですが、その先に真のお客様がいらっしゃいます。
それは、地元金沢を中心に11店舗を展開する「ラーメン世界」さんです。
「ラーメン世界」によると、この椎茸を蒸してスライスし、石川県内の6店舗にてお客様へ無料トッピングとして提供なさるそうです。
「日頃からご愛顧いただいているお客様への感謝の気持ちです」とおっしゃいました。
これまで、のとてまりの初せりの納品先は、料亭だったり高級レストランが主でしたが、こんな“庶民向け”飲食店が名乗りを上げてくださったことに、「のとてまり」の認知度向上とすそ野の広がりを感じます。
石川県産農産物にはブランド品が数多くあります。
初せりでとんでもないご祝儀相場が飛び出すものと言えば、ルビーロマン、のとてまり、加賀しずく、紋平柿、加賀丸いも、ころ柿です。
(他にもあったでしょうか…)
ただ、わたしの感覚では、ルビーロマンとのとてまりは他を圧して別格です。
それは価格にも現れますし、人の数、マスコミの数にも現れます。
出始めは数がまだ少ないとはいえ、初せりで、わらわらと見物に来る人の数の方が商品の数より多くなるのがこの2品です。
本日入荷された「のと115」は全部で814枚で、うち147枚がのとてまりになりました。さらにその中から14枚がプレミアムに認定されした。
まず、椎茸菌「115(いちいちご)」は1月下旬から2月下旬に出荷のピークを迎える品種です。 この菌は実は石川県以外にも広く使われています。
しかし、気温・湿気・水質など、その地の風土との相性があるのでしょう、これほど肉厚で巻きが入る育ち方をするのは石川県能登地方だけのようです。
「のとてまり」は、「のと115」のうち直径8㎝以上、肉厚3㎝以上、かさの巻き込み1㎝以上で昇格となります。
さらにのとてまりの特に形の優れたものを「プレミアム」に認定します。
本日はわざわざ鳥取から菌興椎茸協同組合の下田秀一代表理事組合長がお越しになりましたが、とても興味深いお話をされました。
「原木しいたけで“ブランド”に育ったのは全国でもこの『のとてまり』だけです。生産者と行政と市場が連携し、出来たものをしっかりせり販売して価格を出している。これは他にないことです。本当にうらやましい姿であり、他県は大いに学ばなければなりません」。
非常にうれしいコメントでした。
ご祝儀価格にはいずれ限界が来ますし、もっと違う側面からストーリーを紡ぎ出していかねばいけません。
が、少なくても来年は10周年記念で今年よりももっと盛り上がらなければならないし、それより前に、今シーズンを良い価格で売り続ける必要があります。