■週の概況 第1、2週 1/5~1/11
【総論】
年末はどの品目も概ね順調に手当てされ、ひっ迫感のない穏やかな締めくくりとなりました。こうした年は過去のパターンとして年明けも潤沢で、年末需要が終わり価格も一段下がります。今季も基本的にはこの流れになると思われます。
しかし今年はちょっと未知数な要素があります。大晦日から正月にかけ今年一番の冷え込みがくること、および、1月5日の初市が日曜日のため産地・運送業とも人手確保が難しいことが、全体の入荷量に影響を与える可能性があります。つまり5日の荷物は例年より少なく、その後一週間の物量は年末年始の気候次第で不透明です。人手不足と働き改革が青果物流通にも大きな変化をもたらす…2020年はその色合いが非常に濃くなる一年になることでしょう。
【野菜】
葉茎菜類は概ね順調で年末より価格を下げる品目が多い見込みです。白菜、レタス、キャベツなど。ただしほうれん草など菜類については前進出荷のつけで谷間が来る可能性があり、やや品薄で強含みとなります。大葉や茗荷は年末需要が一段落し下げるでしょう。きのこ類も全般的に弱含みの見込みです。
果菜類はおしなべて下げる見通しです。年末にひっ迫し高騰したキュウリは、天候次第とはいえ下げの見込み。トマトは供給過多で安値ですが、年始も軟調が続きそうです。
根菜類・土物類では、年内最後まで低迷した大根は依然として低いレベルからのスタート。年末需要で価格を上げた蓮根は新年になって価格も落ち着きそうです。さつまいもは入荷量やや少ない見込みで、冬休み明けの給食の需要もあってやや強含みます。馬鈴薯・玉ねぎは順調な入荷で保合の見通しです。
【果実】
年末需要が落ち着いたとはいえイチゴは少ない状況が続き、平年より少なく高めです。みかんは福岡は間もなく終了し長崎県産普通みかんが主力となります。りんごは長野県が数量に向かい、青森県産中心になります。中晩柑類では、紅マドンナが終了しますがデコポン大将季は順調な入荷です。新しく伊予柑が始まり、今年は漸減傾向ながらシーズン前半は大玉傾向で食味良しの見通し。昔ながらの八朔も始まります。地物のころ柿はこの週一杯で共撰は終了します。
輸入フルーツはシトラス系が産地・品目とも種類多い中、イスラエル産のグレープフルーツが出始めで、フロリダ産より安く品質も悪くないのでお薦め。マンゴーは産地によってペリカン・アップル・ピーチと揃い、ピーチが一番食味の評価は高く、価格も高価です。