■週の概況 第8週 2/17~2/22
【全体】
4月下旬並みの暖かさが続き、生育の前進化は止まることなく、おしなべて潤沢な入荷を見込みます。この週は前週よりも入荷量は増加し、市況は全体的に弱含みもしくは弱保合となります。消費面では新型コロナウイルスに対する世情不安から社会に活気なく沈滞ムードにあるものの、人ごみを避け家庭内料理に回帰する面もあります。また春系商材を中心にひな祭りに向けた需要もそろそろ高まることから、青果物の販売は決して悲観することなく積極的な売り込みをかけていきたいものです。
【野菜】
葉茎菜類は安値品目が多く潤沢な流れです。白菜は依然として低価格路線。キャベツは前週に一時急騰しましたが一過性だったと思われます。ネギも潤沢安値の感が強く地元産が例年になく量が残って出続けています。ほうれん草は以前よりは若干高値に回復しての販売を予想。ブロッコリーは低迷脱して相場が回復。堅調な販売です。レタスは潤沢値ごろ感あり、量販向けのタイミングです。アスパラは春芽と呼ばれる国内産が平年より前進出荷で出始め、安価な輸入物と二本立てで流通します。きのこ類では能登の原木椎茸が温暖化の影響か例年より切り上がりが早そうな気配です。
果菜類は前週より増量し価格を下げる品目が多いですが、平年と比較しても堅調なレベルをキープし、ひな祭り需要に対し売り込みをかけていくには程良い状況と言えそう。高かったキュウリも適正な水準にまで価格を下げるでしょう。暖冬で煮物商材よりもサラダ野菜の方が訴求力が高く、レタスなどとともに果菜類は全般に追い風です。
苦しいのは根菜土物類です。特に馬鈴薯の不振は過去にも例がないほどで、北海道産の残量は多く品質面でも不安があり、その余波で九州離島物も価格が下押し傾向です。玉葱も馬鈴薯ほどではないにせよ平年に比べ安値傾向です。中国産剥き玉の入荷減少は実際に起こっているものの、国産玉ねぎの市況を押し上げるほどではありません。さつまいもは安値で数が潤沢なので需要の喚起しだいでは面白い商材になります。
【果実】
国内果実はいちごが順調な入荷となり平年並みに数が揃います。店頭398円売りも比較的容易に作れる量が期待できそう。もう一方の主役の柑橘類は、せとか・はるみなど種類が豊富である上に主力のデコポン・いよかんは潤沢で価格は一段下げられる見通し。主役級が揃って値ごろ感が増すので大いに売り込みたいところです。逆にりんごは徐々にCA貯蔵物に切り替わるタイミングで、貯蔵量は例年より少なく高値基調となっています。キウイは安定した入荷で、メロンは日照不足で少なめの入荷が続きます。
輸入果実も柑橘類が需要期です。主役は米国産オレンジですが、マンダリン(タンゴ)やミネオラなど種類も多々あり、グレープフルーツ系のメロゴールドはこの週には米国から食味の良い“完熟物”が登場するのでお勧めです。ブドウも赤系・青系の種なしブドウがチリから入ります。