■週の概況 第9週 2/25~2/29
【全体】
産地状況としてはまずまず潤沢であり、高値の品目は見当たりません。この週は概ね保合で動き、週末にはひな祭り需要で豆類や椎茸・胡瓜といった特定の品目の引き合いが強まります。また鍋物需要は終息し、煮物・炒め物具材が売れ筋に移行します。以上が通常の流れであり例年のパターンです。
ここに今年の異常事態、新型コロナウイルス問題が覆いかぶさるので事態は複雑となります。観光や集会が軒並みキャンセルとなるため外食産業及びその納め業者がダメージを負うのは必定。反対に家食が復活するので一般市民向けに生鮮食品を提供する店にとっては追い風になります。品目別にみれば国内産の主要野菜はどちらかといえばプラス、妻物など特殊商材は業務需要が多くマイナスの影響を受けます。経済全体を見れば間違いなく憂慮すべき事態ですが、日々の市民生活を支えるため、今こそ市場業界が真価を発揮する時です。
【野菜】
葉茎菜類は総じて潤沢で安値安定傾向です。白菜は九州産中心となりやや底上げ。キャベツは大玉傾向。ネギは石川県産がついに切り上がりそう。ほうれん草・小松菜といった菜類は潤沢です。アスパラは国内産も出てきて輸入物と併せ量販期です。きのこ類は保合ながら原木椎茸は秀品が減り切り上がりも例年より早くなりそうです。
果菜類はひな祭り需要に合わせて売れは良くなるものの出回る量も増えるので全体的には保合予想です。ピーマンとナスは平年に比べ量が少なく堅調な相場。トマトはやや鈍い動き。豆類はひな祭り需要で週末強くなる可能性があります。
根菜土物類は春系を前面に気分一新の展開を図ります。大根はようやく長いトンネルを抜ける光が見えた感じで底上げへ。人参は例年になく潤沢増量の春商戦となりそう。さつまいもは勢い良く出てきており安値潤沢。このため値ごろ感強く拡販に向きます。馬鈴薯は道産残量については品質への懸念もあって大きく低迷、逆に新物九州産は需要に満たず高値となっており、両者の格差が大きくなっています。
【果実】
国内果実で売り込むべきはイチゴです。2番花のピークにあたり量が年間で一番多い時期です。柑橘類は全体的に動きは悪く、特に八朔・いよかんなど皮剥きに手間のかかる品目が苦戦です。せとかは入荷ほぼ終了です。りんごは高値安定傾向で、残量との兼ね合いから今後も高値基調が続く見通しです。
輸入フルーツは今のところ目立った変化はなく商品構成も変わらず。ただしバナナは需要期に入ることに加えフィリピンの土壌菌問題により今後は数量の大幅減が見込まれ、中期的には上げの可能性が高いです。またコロナウイルスのため中国港湾でタンカーがストップしており、中南米産の輸入フルーツについて、日本仕向けの物流にも今後影響が出てくると思われ、これまた中期的には予断の許さない状況です。