■週の概況 第10週 3/2~3/7
【全体】
新型コロナウイルスの問題が日に日に大きくなっています。青果物に対する影響も少なくありません。一番の問題はホテルや旅館、パーティ、宴会のキャンセルが相次いでいることです。これから歓送迎会などが増える時期だけに、外食産業や食品を納める業者にとっては大ダメージです。また政府が全国的に休校を呼びかけたことにより、学校給食が今後どうなるかも心配されます。金沢では市長が28日の会見で「2日からの休校はしない」とコメントされましたが、「今後もずっと」という意味ではなく、国・県との意志疎通を図りながら対応を進めていくそうなので、近々に休校となる可能性は十分にあります。
マクロ的には消費マインドは間違いなく冷え込みますが、人々の生活スタイルが家の中で食事を済ます傾向が強くなるため、ミクロ的には地域に根ざした中小スーパーや青果小売店で買い物する市民が増えているという実態があります。野菜やくだものは生活に絶対に欠かせないものであり、卸売市場は毎日、しっかりと運営を続けなければいけません。
【野菜】
雪が降らないので、例年なら切り上がっているはずの地元石川のネギがまだ出てきています。山菜類がが能登から入っていますが、暖冬の影響か出荷・生育は前倒しで、ふきのとうは早くも開き気味が多くなっています。茨城県産のわらびも例年より量が多いようです。
果菜類は総じて例年より単価が高水準です。このご時世でもひな祭り需要はしっかりあって、菜の花・トマトは上げ模様です。キュウリはひな祭りまでは高値基調で保合、終わったら下げの展開でしょう。
根菜類で要注意は人参で、この週は前倒しのつけが回って出荷のはざまになりそう。数量激減で上げ予想です。長芋もウイルス対策に効果的(?)との風潮があり動きが良くなっています。甘藷は連日まとまった量が入ってきて出荷のピーク。供給過剰気味で価格は下げ、しばらくお手頃価格が続くでしょう。逆に蓮根は残量少なく慢性的に高値基調となる予想です。馬鈴薯は北海道産が品質面での不安定さあって低調安値。逆に九州新物は引き合い強く上げ傾向です。玉ねぎも春物は少なく品薄です。つまり芋玉は春もの・新ものは活発で、ひねものはナヤミです。
【果実】
前週と変わらず主役はイチゴ。潤沢で去年より安値で流通しています。柑橘類は中心品目のデコポンは露地物へ移行。いよかんは減少へ。八朔・文旦・せとか・はまさき・紅甘夏など少量ながら多品種が入荷します。
輸入フルーツではバナナが減少傾向で、例年より高値基調になっています。その他の入荷リストは前週から変化なく、GF、オレンジの定番品の他、「マンダリン」「ミネオラ」といったサブキャラもたくさん出ています。