功には禄を、徳には地位を

「功には禄を、徳には地位を」
或いは
「功には禄を、能には職を」
と言ったりします。
上は西郷隆盛、下は徳川家康の言と紹介されることが多いようです。

功績があった部下には報酬を与え、人徳がある部下には地位を与えよという意味。

「名選手、必ずしも名監督にあらず」に通じるところがあります。
会社では、営業マンとしては大きな売り上げと利益をもたらすものの、部下をまとめたり育てたりはからきしダメというタイプは案外多いものです。
組織にとって人事は生命線です。

やり手の営業マンには給与と賞与で報い、
リーダーシップに優れる社員には肩書で報いる。

非常に理屈に合った論功行賞ですが、これができている会社もなかなか少ないでしょう。
それは「徳には地位を」の判定が難しいからです。
「売る力はないけど人間力があるってどんな人よ?」
「やさしい人だけど馬力がないって感じ?いるいる!でもそんな上司って頼りないよね」
こんな評判になるので、結局は名プレイヤーを監督にする方に落ちついちゃうんです。

しかし、やり手というのは言わばその道の“スペシャリスト”です。
部署全体、会社全体を統率するには“ゼネラリスト”の才覚が問われます。
ゼネラリスト=広範囲な知識や経験を持つ人
スペシャリストが深さなのに対して、ゼネラリストは広さです。

広さを測る尺度が企業にないから人物を評価できないのです。
だから、尺度を創造する。
それを使って実際に評価する。
この仕組みを作ることを自身のミッションにしようと考えています。