大阪で大相撲三月場所が始まりました。
新型コロナウイルスのため無観客での開催です。
中止でなく無観客としたのは、プロ競技なので仕方ないでしょう。
入場券収入は望めませんが、莫大な放送権料まで手放しては組織が持ちません。
もちろん、八角理事長が冒頭の挨拶で述べた「大相撲を応援してくださる多くのファンの皆様に、ご迷惑をかけることは決してできない」「大相撲のもつ力が、日本はもちろん世界中の方々に勇気や感動を与え、世の中に平安を呼び戻す」という思いも綺麗ごとでなく心からの言葉でしょう。
しかし、画面から伝わる無観客大相撲はやはり違和感ありありでした。
身も蓋もない言い方をすれば、つまんない。
これは、大相撲がスポーツというより興行であるからだと思います。
興行は観る客がいなければあり得ない世界です。
炎鵬が「闘争心が出なかった。何のために戦っているのか、見つけられなかった」
とコメントしたのは、
力士の心情の本質をついています。
この観点からすれば、無観客開催などやってはならないことになります。
ただ、大相撲は興行であると同時に神事でもあります。
力士の四股は邪悪なものを土の下に封じ込む力があるとされ、
横綱の土俵入りは五穀豊穣と世の中の平安を祈願する意味があります。
であるならば、世の中が危機に瀕するこの事態に、力士が相撲を取らないこともまた許されないでしょう。
そう考えると無観客開催という着地もむべなるかな、ですね。
他のプロスポーツはどうするでしょうか。
やはり放映権料が大きいですから、中止よりは延期、中止よりは無観客を選ぶ競技の方が多いでしょう。
アマの世界はお金が絡まないぶん中止を選択するケースが増えそうです。
でも、アマこそ無観客でやればいいと思いますけど。
選抜高校野球は可哀想でした。
無観客で開催できなかったでしょうか。
TV中継も、大相撲よりは違和感なく観れたかもしれません。