青果物の週間情報 【2020-W12】

■週の概況 第12週 3/16~3/21

【全体】
 新型コロナウイルスの影響で、このままではリーマンショックを凌ぐ不況が世界規模で起こるのではと危惧されています。しかし生鮮食品は昔から不況に強いジャンルと言われます。悲観ばかりせず着実な歩みを踏んでいきたいものです。
 今、大手GMS、料亭、ホテルといった業態は極めて厳しい環境に立たされています。一方で小規模ストア、小規模飲食店は健闘しています。品目では高級食材、珍品、妻物類は逆風。逆に定番野菜はまだ好調な荷動きを見せています。気候的には来週から気温も高まり、物量がグンと増えてくるでしょう。志向としては鍋物より煮物、煮物より炒め物の食材に消費者の目が移っていきます。入荷は概ね順調、相場は全体的には保合でしょう。

【野菜】
 キャベツ、ネギは出荷量が回復し安値感あり。白菜も九州産が順調で弱含みです。ほうれん草・小松菜は概ね順調で保合傾向。ブロッコリー、レタスは堅調です。アスパラは国内産がメインとなって売り出ししたい時期です。鍋需要の減少により、きのこ類は全体に動きは鈍くなっています。
 果菜類はここまでまずまず堅調な相場で来ましたが、この週は気温も高まり流通量が一段増える見通しで、全体的にやや下げ予想。そうなれば茄子・ピーマンなど売りやすい売価帯になるので量販が可能になるます。
 根菜類・土物では、免疫力アップで一躍脚光を浴びた長芋が依然として絶好調の引き合いであり、この時期としては高値を維持。帯広川西産はおがくずを使わない新パッケージでの出荷開始で注目を集めます。大根は安値ながらも動きは向上。筍は料亭等で使われる小サイズが宴会自粛のあおりを受け絶不調ですが、普段使いに適した等階級は好調で、この週から各産地本格化し値もこなれてくる見込みです。一時、過剰出荷にあった甘藷はおさまって入荷減少し、相場はやや持ち直すでしょう。生姜は定番の囲生姜に加え、新生姜も出始めました。

【果実】
 国内果実ではイチゴが好調な動きで、需要に供給がややおいついていない状況。りんごは産地残量少なく高値基調です。メロンは増量傾向で単価も下がり、安定入荷を見込みます。西瓜や雑メロンも徐々に出てきます。柑橘では清見などこれから出るものもあるとはいえ、伊予柑・八朔はほぼ末期を迎え、、全体としては縮小傾向になります。
 輸入フルーツではバナナがマスコミ報道もあって引き合い好調。グレープフルーツはフロリダン産の大玉が好評です。オレンジも例年より若干大粒傾向で順調です。アボカドは今は大丈夫ながら、今後コロナウイルスの影響で輸送船が運休する事態となり、中長期的に品薄・強気配に動く可能性があります。