新型コロナウイルスの猛威はまったく衰える気配を見せません。
私の一週間前の素人考え(3月23日のブログで『日本においてピークアウト(流行の峠を越す)の感もあり』と書きました)はまったくの見当違いでした。
新型コロナウイルスによる青果物流通への影響は?
今はキャベツだけが異常で、おととい1箱1000円だったのに、今日は3500円に跳ね上がりました。元々、産地が雨で収穫が落ちていたところに、全国的に特売が重なっていたので、コロナウイルスだけの要因ではありません。でも首都圏のスーパーに人々が殺到し、物が消えていったのも事実。大都市東京で起こったことが遠く離れた地方都市金沢にも波及するのが現代の流通です。
ただ幸いにしてそれ以外には青果物流通に大きな混乱はありません。
これから先は輸入フルーツへの影響が心配されています。
①コンテナ船
中国は今や世界一のマーケットです。日本に来るコンテナ船も先に中国の港湾に寄ってから来ることが多いそうです。ところが中国の港のオペレーションが今ちゃんと機能していない。だからコンテナが中国で滞留する。コンテナが空かないと次の物流が滞る、という負の連鎖が起こり、特に中南米からの青果物が日本に来にくくなっています。
②エア便
渡航制限で空輸便も大きく減少しています。
空輸はまず人、その次が高額な機械、安価な青果物の優先順位は下の方です。
すでにライムやブルーベリーといった商品は輸入量が減少しています。
4月下旬から始まるアメリカンチェリーが一番心配です。
例年より大きくショートし、価格も高くなるかもしれません。
③生産体制
フィリピンでは人の移動制限が敷かれています。これにより、バナナ園で働く労働者は、隣り町からの通勤ができなくなるなど、労働人口不足に陥っています。
今まで100人でかかっていた収穫作業が50人しかいなくなるということ。
それだけ収穫量が減ります。
また、バナナを積載したトラックが輸出港に運ばれるに及び、何箇所も検問があって、いちいち検温でストップさせられ、大渋滞が巻き起こっています。これで、船の出発時間に間に合わなくなった、という話も伝わってきます。
バナナ、グレープフルーツ、ぶどう、アメリカンチェリーといった定番の輸入フルーツがおしなべて大ショートとなる可能性が、4月中旬から起こりえる状況です。
大変憂慮すべき事態です。