NOTO高農園の野菜セットを買った
高農園(たかのうえん)は石川県の能登島で農業をされている高 利充 博子さんご夫妻が営まれている農園です。
石川県では知る人ぞ知る有名農家。
有機栽培、エコ栽培で作られた野菜は全国のレストランとの契約栽培によって直納され、こだわりの強い一流シェフによって料理されます。
「直納」ですので、残念ながらというべきか、我が社を含め卸売市場はとおらない流通となっています。
そうした生産から販売まですべて自身で手がけ、しかも素晴らしく評判が良い担い手のことを“スーパー農家”と呼ぶことがあります。
これから農業をやってみようかな、と新規就農を考える人たちの言わば憧れの存在です。
そんな高さんが今、新型コロナウイルスの問題で苦境に立たされていることを知りました。取引先のレストランが軒並み休業するので、せっかく作った野菜の行き場がなくなったというわけです。
農産物の契約栽培というのは、とても微妙な世界です。
卸売市場でも(我が社でも)契約的な取り引きはたくさんあります。
契約であるならば、作る数量と価格は事前に決められます。
契約ですから、その後何があろうが、買う側は決められた価格で買う義務があるし、売る側は責任もって量を揃えなければならない・・・と思うでしょ?
ところがギッチョン、そうならないことがままあります。
これはねぇ、私は基本的にはおかしいと思っています。
卸売市場は契約栽培では痛い目に会うことがとても多い・・
あっと、この話をしだすと長いので、これはまた別の機会にします。
話を戻します。
高農園さんは、支援者の助力もあって、オンラインショップによる一般への通信販売を始められました。
私は高さんとは何度かお会いしてますが、実は今まで一度もその野菜を食べたことがなかったので、良い機会と購入手続きをしました。
野菜セット5000円を注文しました。
内容は
赤土人参、ケール、安納芋、金時芋、小松菜、ほうれん草、スナックえんどう、金時草、紅くるり、赤かぶ、ピンクレンジャー蕪、黄かぶ、黒大根(ラディノワール)、プレコーチェ、空豆、こごみ、たらの芽、こしあぶら、うどなど(能登山菜)です。
って、この中から出しますってことで、全部が入っているんじゃないみたいですけど、大変恥ずかしながら、入ってた野菜の全ての名前がわかるわけではないので、紙に書いてあったとおりに書きました。
でも、だいたいは入ってましたよ。
これだけ入っていると高くないです。
高農園なのに高くない(笑)。
でも、食べ方がよくわからない(また笑)。
まあ、妻と相談しながら、茹でたり焼いたりサラダにしてみたりして試していますが、どれもとても美味しくいただきました。
農家さんが作った野菜は何でもほぼすべて、卸売市場に委託で出荷することができます。
高農園さんが困ったのならば、うちの市場に出荷することで全量販売することはノープロブレムです。超簡単です。
でも❗️
自分で言うのも何ですが、
普通にフラッと委託で出され、翌朝にせり販売にかけらると、その農園さんが希望する価格帯で売られることはあまりないのが現実でしょう。
人によっては「二束三文で売られた」と思うこともあるでしょう。
これが市場に出荷されない生産者の一番の「市場に出さない」理由です。
別に市場は常に安いわけではないです。
また、値決めができないわけでもありません。
ただ、そういう安定した価格で売買されるようになるには、お互いのコミュニケーションと信頼関係が必要となります。
それにはある程度の時間とトライアンドエラーの蓄積を要します。
市場も、様々なニーズに対応するために、生産者と末端ユーザーとをつなぐ、安定・定量的な取り組みを増やしていきたいのです。
別にスケベ心で言うのではなく、高農園さんのようなこだわり農家さんとも取り組むモデルを作れないかなぁと思っています。