■週の概況 第20週 5/11(月)~ 5/16(土)
【全体】
外出自粛要請となった異例のGWが明けました。GW中の消費は、スーパー筋からは前半好調、後半失速という声が聞こえてきます。3密防止で特売のない平準販売が中心でしたが、家庭料理疲れもあって消費はやや詰まってきた感があります。この週、石川県はまだ警戒中ながら、他県では活動再開のスピードが上がってくる週であり、石川県内でも今後の企画が練られてくる頃合いでしょう。頭のスイッチを切り替えるタイミングかもしれません。
この週の青果物は全体的には増量傾向で弱含みです。4月は冷え込んで重量野菜を中心に数量が絞られましたが5月に入って夏日かと思われる陽気で生産量は回復傾向となること、産地切替が次々と進み後続産地の潤沢感が増すことが主な要因です。
【野菜】
葉茎菜類では今まで高かった白菜・キャベツ・ネギ・アスパラは下げ。白菜は茨城県産中心に増量し、まだ高めとはいえかなり正常なレベルに。キャベツは週の前半は安値が見込まれますが、週の後半に反発があるかも。ほうれん草など菜類は総じて弱含みです。ブロッコリーは潤沢安値の中、この週より石川県産も始まります。
果菜類は全体に増量傾向で価格を下げる品目が多くなる見通しです。トマトは小松市を皮切りに地物が次々に始まります。胡瓜はより一層の安値展開を見込みます。堅調だったピーマンも落ち着いてくるでしょう。
根菜土物類では人参が端境期にあたり数量減から上げ予想です。蓮根・甘藷はシーズン末期で少なく高保合。筍は石川県産が末期であり、最後のひと頑張りをしたいところですが、陽気で需要減退し更なる安値です。季節物ではラッキョウが前年より出荷ペースが早く値ごろなようです。玉葱は依然として低迷しており苦しい販売環境です。
【果実】
国内果実では、5月初頭の暑さを受けて西瓜の動きがまずまず好調です。イチゴは九州産がこの週一杯など徐々に消えていくとはいえ例年よりも出荷が粘って続いています。メロンはアンデス・クインシー中心に多種多彩な品種構成です。りんごは有袋ふじ中心で高単価が継続です。ハウス物は春先は前進傾向でしたが4月下旬の冷え込みでペースが戻り、前年並みペースになりそう。山梨県産ハウス桃は品種日川でこの週からスタート、山形サクランボは品種砂糖錦で段々と増量してきます。
輸入果実ではアメリカンチェリーが増量します。スタート時はやや品質に難ありでしたが今は立ち直り、価格的にも平年レベル(輸送コストは上昇するも品物原価が下落のため)で手配できそうな見通しです。
■週の概況 第19週 5/4(月)~ 5/9(土)
【全体】
例年、GW直前に全体相場は上がり、明けると下がるのがパターンであり、入荷は一部品目を除いて大きな問題はないことから、一応例年通りの展開を見込みます。しかし、ゴールデンウイーク真っ只中といっても前例のない「ステイホーム週間」ですから、消費がどうなるか、GW明けからどう動くかは未知の世界です。今年は人の密集を避けて特売などの集客策を店舗が控えているので、一般野菜が平均して売れる傾向が淡々と続くかもしれません。
気温はぐっと高まり、低温で滞っていた後続産地の生育が回復し、GW以降は全体に増量傾向が顕著になると思われます。一方で筍や山菜類などの季節商材は後半戦から終盤に向かっていきます。
【野菜】
葉茎菜類では依然として高値品目が多いです。特に白菜は茨城産が少なく高値が続く傾向がしばらく続きそう。キャベツは価格の乱高下が日々に激しく、GW後半~明けは反落の番か。ねぎは後続の茨城産が出るまでの間が品薄で高値基調、レタスも数量少なく高値展開です。菜類は気温の上昇とともに生育回復し一時よりも落ち着いてきた感があります。
反対に果菜類はは概ね順調で、連休中は保合、明けて下げを予想します。中でピーマンは堅調でしっかりした価格ですが、胡瓜、ナス、トマトは潤沢です。山菜類ではわらび、カタハ、山ブキが増量する見込みです。
根菜類では大根、かぶらは保合、人参は連休明けからやや弱含みとなる見込み。筍は地物の品質が良く値ごろのシーズンとなりましたが、販売のピークはこの週まででしょう。季節のものではらっきょうがスタートし、徐々に増量を見込みます。蓮根・甘藷は残量少なく強保合です。土物類では玉葱が依然として激安です。
【果実】
国内果実では、気温の高まりから西瓜の需要が増える見込みで数量も潤沢です。メロン類はネット系・ノーネット系など種類豊富に出回り、こちらも引き合いが強まる見込みです。りんごは有袋ふじ中心ですが、単価高のため動きはやや鈍い展開。柑橘では紅甘夏が貯蔵物になり値が上がります。施設物としてはサクランボが順調に増量見込みであり、この週あたりから山梨産ハウス桃も始まるでしょう。
輸入果実ではバナナ・パインがコロナウイルスの影響で産地の作業効率が低下しており、数量確保が困難な状況。数量減の単価高が続きます。アメリカンチェリーが始まりました。当初心配したほど産地原価は高騰せず、まずは無難なスタートですが、品質面ではまだ不安定感があります。米国産シトラスは安定した入荷です。