今年のゼスプリは気合が入っている。
TVCMの出来が半端なくいい。
キウイブラザーズのショートムービーは、トイストーリーを見るかのよう。
これがなんとゴールデンタイムに流れるのだから、気合の入り具合は本物だ。
この点を我が社の輸入フルーツを扱う部署のA部長に言ったところ、次のようなことを教えてくれた。
ゼスプリ現社長の安斉一朗氏の戦略であろう。
マクドナルドやベネッセの代表として辣腕を振るった原田泳幸氏の懐刀のような存在だった。
安斉氏は自身が表に出ることはあまりしない堅実な性格。
しかしその戦略は地道で確か。
ゼスプリは今年、ロゴマークを刷新し、販促資材もすべて作り直した。
昨年までもキウイブラザーズの人形はプレミアがつく人気ぶりだった。
イメージ戦略はとても素晴らしい効果を生んできている。
現在はおそらくコロナ禍のために、一部上場会社が次々にTVCMのスポンサーを降りており、ゴールデンの時間枠が空いていると思われる。
電通など大手代理店はCMの枠を持っており、枠を埋めるために今は大きく割安でゴールデン枠を提供していて、ゼスプリはその流れにうまく乗ったのではないか。
東日本大震災の時のドールもそうだった。
震災前、ドールは木村拓哉を起用したかったが、ジャニーズ事務所が許可したのは香取慎吾。
ドールは香取をうまく使って、破壊的なおふざけキャラに仕立て、それはそれで話題になった。
その後に起こった東日本大震災で、やはりゴールデンタイムのCM枠は大手スポンサーが撤退し、安売り状態になった。
タレント事務所も仕事がなくなった。
そこで、一時的ながら、ドールのCMにSMAPのメンバー全員が登場する機会が実現したのである。
こういう時流の波と戦略性は、青果業界という極めて立場の弱い世界にも時として輝く機会を与えてくれる。
人格が素晴らしいと評判高いゼスプリ・安斉代表に一度お会いしたいものだ。