かなり昔の出来事だが、ふと思い出した。
普段はまったく来ないのに、4年に一度だけ会社に挨拶に来る人がいた。
スピーチの後、社内のフロアーを練り歩き、名刺を社員一人一人に配っていく。
私の席の近くに来たので私は立ち上がってお迎えした。
その時、携帯電話が鳴った。
彼は普通に電話に出た。
そしてそのまま私のところに歩み寄り、電話で話をしながら私に名刺を差し出した。
さて、話は変わって、地元金沢では、市議会議員がパチンコ店に行ったことが問題になっている。
(いや、地元だけでなく、すぐ全国ニュースになってしまっていた。)
4月に新型コロナに感染し、1ヶ月にわたり入院。退院後も2週間は自宅待機するよう指示されていたが、その期間中に3時間ほどパチンコをしたことが判明したものだ。
しかも、この時点ではパチンコ店はまだ石川県の休業要請の対象となっていた。
本人は、「世の中の流れを見ておこうと思った。浅はかだった。反省している」とし、今のとこ議員辞職つもりはない様子である。
これは黒川氏の賭け麻雀とかぶり、ついつい並べてしまうが、このパチンコ問題の方がはるかに簡単かつ低レベルである。
パチンコはアウト。行ったこと自体がアウト。責任は避けられないと思う。
自宅待機期間中に、人が集まるには一番問題とされる場所に、長時間に渡っていた。同時期、公務は休んでいたくせに。
黒川氏の場合は、「いったい何が悪いとみなさん議論されてるの?」と冷静に問うと、結構これが難しかったりする。
その黒川氏が速攻で辞任を表明し、パチンコの方はそうでない。
パチンコに行くことが問題という感性が欠けているのだろう。
悪気もないだろう。
今もなぜ非難されているか、理解できていないかもしれない。
だが、その鈍感さこそが資質のなさの証である。
人のふり見て我がふり直せ。
受け身になるととたんにぐだぐだになる人間は少なくない。
自分はまだ何か起きた時に謗られる立場にないだけだ。
身を常に律しておくこと。
こと起こった時に正しく身を処すこと。
よくよく肝に銘じたい。