■週の概況 第23週 6/1(月)~ 6/6(土)
【全体】
ここまで、家庭消費中心の一般野菜は平年並みの動きであり、業務需要メインの品目は動きが止まって価格も低迷しています。これはコロナ禍の変わらぬ傾向です。自粛の段階的解除が進む中、「客足は全然戻っていないけれど、とにかく再始動を果たさねば」という切実な思いから、いわば準備買い的に業務需要がそろりそろりと動き出しています。まだ実態が伴っていないレベルながら、6月に入れば給食も再開するので、本格的な消費回復が期待されます。
【野菜】
葉茎菜類は総じて順調です。白菜は前週に下げた流れに続き、この週もやや弱含み。キャベツは一時の乱高下も収まり、レタスとともに値ごろ感ある価格帯で安定入荷となる予定です。ほうれん草、小松菜など菜類は潤沢です。ブロッコリーは石川県産がピークに入って増量となり、価格も下げて売りやすくなります。アスパラは消費が鈍く苦戦中ですが、九州産の増量・業務需要の再開で今後は動きの好転が期待されます。
果菜類はこの時季としては価格が崩れることなく下支えされています。ピーマン、なす、など全体的に順調な入荷であり、豆類も石川県産・福島県産を中心に潤沢です。大苦戦しているのはミニトマトで、業務需要がまだ回復していない分、出荷の増量に比して動きがついていかず、価格は大きく低迷しています。
根菜・土物類は産地切り替えが進む品目が多く、野菜の中では値動きが一番激しく変化する部門となるでしょう。大根・かぶらは青森産主力に移行し価格は下げ予想。ごぼうも群馬産増量で下げます。蓮根・甘藷は他県産となり少量高値傾向です。馬鈴薯は需要>供給でますます強含み傾向です。玉ねぎは首都圏での品薄急騰が全国相場にも影響し、上げ模様となります。季節物のらっきょうは洗い・土付きともまずまず順調。梅は近年になく少量で、特に青梅がひっ迫しており極めて高値となっています。
【果実】
国内果実は、柑橘類(デコポン、紅甘夏)やいちごなど、姿を消す品目が多い中、代わって登場するものがこの週はなく、アイテム的にはやや寂しい週となりそうです。メロン類は潤沢で、アールス、アンデスを筆頭に多種多様な品種が増量傾向です。西瓜は地元石川県産を翌週に控え、この週一杯は他県産の販売となります。この週末からサクランボは露地物となり、紅さやかを中心にシーズンの本格化となります。昨年は非常に少ない年で、今年はそれよりは数が見込めるものの、平年より若干少なめの作況です。
輸入物もアイテムに変更はありません。想定外だったのは加州産チェリーで、現地に熱波が遅い、この週一気に終末を迎えそう。ただし本場ワシントン州産が切れ間なく始まる見込みであり、日本のマーケットに悪い影響は出ないと思われます。