クリーニング屋とガソリンスタンドから学ぶこと
妻が教えてくれた話です。
行きつけのクリーニング店では「この汚れは落ちないかもしれません」とよく言われるそうです。
妻は「だったらいいです」と出すのをやめますが、心の中では「落ちないことなんてあるかい」と思うことが多々あるそうです。
もし落ちなければクレームになるので、クリーニング店としては防衛上そう言うよう教育されているのかもしれません。
しかし客側の要望は違います。例えば、
「通常のやり方では落ちないかもしれません。でも○○の方法だと多分大丈夫だと思います。ただし●円割増になりますが、どうしましょう」
こうくれば次の選択肢が与えられるので客も不満には思わないようです。
行きつけのガソリンスタンドはその点素晴らしいそうです。
「(車の)○○がこうなってますから、××をするといいです、●円になりますがどうでしょう」
といった提案が毎度必ずあるそうです。
スタンドによってはあまり意味のない不要なサービスを勧めてくることも多いですが、行きつけのスタンドは車の状態をちゃんとよく見ている感じが伝わってくるそうです。
なぜガソリンスタンドの兄ちゃんはそんなに感心なのか。
おそらく聞けば「いや、僕らだって、お薦めすれば、自分たちの実入りに跳ね返ってきますから」と言うでしょう。
それは当然。でも、それができるかどうか、やるかやらないか、スタッフ全員で取り組む組織にするかどうかは、経営者の姿勢によって大きく変わってくるのだと思います。
クリーニング店のおばちゃんは何時から何時の時間給の感覚であり、ガソリンスタンドの兄ちゃんは歩合いくらの出来高制度の感覚という違いがあるかもしれません。
しかし、それだけではなく、やはり働きがいや充実感の面でも両者には雲泥の差があるのでないでしょうか。
ちなみに、妻はそのクリーニング店には不満げなので、「だったら、個人経営っぽいところを数件回ってみたら?絶対親身になってくれるところが見つかるはずだよ」と進言しました。
翻って、我が社の社員も、クリーニング屋のおばちゃんの方ではなく、スタンドの兄ちゃんにならなければいけないと戒める次第です。
「あ、それは今ありません」「できません」のなんと多いことか。
その後に、「その代わり、これならご用意できますけど」「ちょっとだけ時間ください。あたってみます」「いや、今はむしろこれの方がいいですよ」といった二の句・三の句が出てくる会社にしなければいけません。