青果物の週間情報 【2020-W26】

■週の概況 第26週 6/22(月)~ 6/27(土)

【全体】
 県をまたぐ移動の制限が19日から全国的に解除され、人々の生活が徐々に戻ってきました。一時期の巣ごもり需要は終わった感があり、外食産業・業務筋は動きが少しずつ出てきています。世間はまだ恐る恐る、様子見の状態ですが、第二波さえ来なければ、この週は人の動きが一気に回復するかもしれません。
 青果物流通も同様です。とにかくお客を迎える体制を、と再開した店舗の需要で各野菜・果実が一旦動いたものの、今は小休止状態です。したがって週は本格的な回復を期待。ただし春先の曇雨天、その後の好天、直近の梅雨空と気象がめまぐるしく変化したので、出荷量の多い少ないは品目によってまちまちです。野菜では葉茎菜類が潤沢、果菜類は平年並み、根菜類はひっ迫する品目多し、といったイメージです。

【野菜】
 葉茎菜類ではレタスが安い。長野県では準高冷地と高冷地の出荷がかぶり大量に出回り大きく値を下げました。この週も安値基調でしょうが、産地は早々と出荷調整に入り、底上げとなる見込みです。小松菜など菜類は作型リレーで後続が遅れており、やや品薄強含みを予想します。キャベツは愛知が終わり、長野・群馬産へ。赤じそは県内産が始まり量が増えますが、梅が不作の年なので、販売はやや苦戦かもしれません。
 果菜類は全体的に堅調。安かったトマトは愛知産などの切り上がりを受けて低迷を脱しつつあり、まだ安値ながら動きが良くなりました。ピーマン・ナスは堅調をキープ。きゅうりは産地端境期にあたり数量減で価格を上げる見込みです。今年は家庭菜園の成りは良くなさそうですが、それなりに採れ始めており、郡部に行くに従って果菜類の小売店消費は少なくなります。
 根菜類では人参がひっ迫。岐阜産が週頭で終了し後続産地の遅れによりかなりの高騰が懸念されます。反対に安値が大根。量は多くないながら消費が鈍い状況です。土物類では馬鈴薯が品薄高値。大産地が限られており、高値感は長期化する恐れがあります。玉葱は先日までのひっ迫感は解消され、落ち着きを取り戻した感があります。梅は地物中心ながら不作年で高値感が強いです。

【果実】
 地物の果実として高松のデラウエアが始まったことで一気に夏果実の存在感が高まってきました。地物のもう一方の主役・西瓜は梅雨入りで涼しい気候ながら動きは好調です。ただし今季は4月の曇雨天と交配の兼ね合いで、秀品大玉比率が若干低い点が指摘されています。さくらんぼは露地の佐藤錦がピークであり、この週が一番の売り時となります。ももは山梨県産で日川白鳳が始まりいよいよシーズンですが、今季は全国的に“成りもの(果樹に成る果実)”が例年より少ない作況(暖冬、春先の曇雨天、交配期の受粉が滞った等の理由)で、この傾向はプラムも同様で、山梨産及び月末からの地元押水産も例年よりやや少ない入荷が予想されています。
 輸入フルーツではアメリカンチェリーが一番押しです。本場ワシントン州産の主力ビングが潤沢に出回り、品質上々で味も良く、量が増えて価格もこなれてきます。