断捨離は心を軽くする

忙しい、と自分で言うのはとても恥ずかしいことです。
自分より仕事をしている人は世の中にごまんといるし、バリバリ動き回って疲れ知らずの人もたくさんいます。
自分で自分を多忙だ、というのは、自分で自分を能無しだ、と言っているのに近いと思います。

なので言いたくない。
いやいや、全然ひまですよ、っていつ聞いてもサラッと言ってのける横浜のHさんみたいになりたい。
ああ、でもやっぱりここ数週間は自分のキャパいっぱいいっぱいの感覚でした。

段取りが悪いと、やるべきことが溜まってきます。
あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ、と思っていると段々と心が圧迫されてきます。
毎日毎日追い立てられているような気持ちです。

一つ一つは大したことないのに、どれも手つかずか中途半端な状態になります。
何も仕事ばかりではなく、例えば身の周りの整理整頓など日常のことも、放置が何日も続けば同じ精神状態になります。
なんか汚ねえな、いつも余計なものがガチャガチャあって、物探すのに手間取るな、が積もり積もってイライラの要因になります。

さて、今日は水曜休みでした。
睡眠もそこそことれて元気だったんで、懸案だった車庫のガラクタ処分を断行しました。
いや、ガラクタかどうかは定かでありません。
我が家の押入れから火鉢がいっぱい出てきたのです。
なんでこんなに?というくらいに押入れから出るわ出るわ。
とりあえず、車庫に移し替えましたが、今度は車庫が一杯になりました。

嫁いだり、嫁がれたり、引っ越したり、建て替えたり。
人生に家もいろいろある中で、捨てるに捨てられず溜まってきた火鉢なんでしょう。
値打ちものならともかく、そうでないものなら、誰かが処分しなければ。
親は処分できなかったということで、わたしが処分することにいたします、と思い定めました。
こう言ってみると、何か親を少し超えたような気になるから不思議です。
実際はただ火鉢を処分するだけなんですが。

処分方法は、埋め立てゴミとかリサイクルとかいろいろありそうですが、長唄でお知り合いになれた古美術商の高辻さんに相談してみました。
すると「わたしは火鉢は扱っていないけど、「いなり商店」さんならたぶん受けてくれるよ」とのこと。
なんとそのお店はいつも通勤で通う道沿いにありました。
全く知らずに10年以上素通りしていました。

押入れから出てきた火鉢約10個を持参すると「はいお預かりします。月に2回、市があるので売れた金額の10%を手数料でいただき、残りをお支払します」とのこと。
埋め立てゴミに出そうかと思っていたくらいなので、とてもありがたいことでした。

何より、車庫がすっきりしたのが精神衛生上よろしい。
これだけで、昨日までの心のもやもやがかなりなくなった気がします。

心に余裕のない時は、掃除・整理整頓をするといいかもしれません。
そういえば、仕事のできる人の机はたいがいスッキリしてますよね。
毎日心もスッキリさせてリフレッシュしているのかもしれません。
この年になって初めて実感する断捨離の効用でした。