青果物の週間情報 【2020-W28】

■週の概況 第28週 7/6(月)~ 7/11(土)

【全体】
 梅雨が続いています。青果物の作況は梅雨の具合しだいで、心配されているように西日本や九州に大雨が降るようだと状況が大きく変じることがありますし、大したことがなければ市況も穏やかに推移するでしょう。穏やかに動く場合、野菜は全体的にやや下げる品目が多くなる見込みです。ここまでが例年よりやや高めの価格水準で来たことによる反動、家庭菜園の成りが本格化し郡部を中心に店舗販売が厳しくなってきたこと、産地切り替えで後続産地が追いついてきた品目が多いことなどが主な理由です。
 消費そのものは今あまり活発とは言えません。巣ごもり需要はとうに過ぎ新しいステージに行くかと思わせた矢先に東京でコロナが再燃しておりますので、社会は沈滞ムードがぶり返す様相です。お中元商戦は例年より動きの鈍さが目立ちます。一方で、長雨から品質劣化や腐敗等が増えてきますのでよくよくの注意が必要です。

【野菜】
 葉茎菜類は品目によりけり。白菜とレタスは産地出荷調整や降雨の影響で数量不安定で価格浮上。キャベツは群馬嬬恋村の本格化で潤沢感が出て下げへ。ほうれん草小松菜など菜類は保合。金時草は露地物が本格化します。赤じそはこの週が入荷のピークと思われますが、梅の不足から価格は弱いでしょう。ネギは地物が白山市や七尾市などから始まることもあり、前週までの高値反動で下げるでしょう。きのこ類は前週と変わらず保合です。
 果菜類はこの時季としては安いものはない堅調な価格帯ですが、この週は全体に軟調と予想します。これまでやや高値感があった反動と、家庭菜園の自家消費で末端の動きが鈍ることがその原因です。ただし、それほど値崩れするとも思えず、小幅な下げに止まるのでは。トウモロコシや茗荷は需要も高く、動きが良いようです。
 根菜類は全体に下げ予想。ひっ迫していた人参は青森産スタートで品薄感は緩和され落ち着きそう。蓮根、サツマイモも他県産の出が追いついてやや下げへ。梅はほぼ終了で今年は本当に少なく高値でした。馬鈴薯は品薄高値となっており、この週もひっ迫状態から抜け出せない見込み。玉ねぎも高値基調を維持します。大根は依然として消費低迷で軟調ですが産地の切り替わりもあって若干の底上げを見込みます。

【果実】
 国内果実はギフト商戦期です。コロナ禍で例年より下降傾向はやむなし。しかし、自粛ムードで最悪かと思いきやそれほど元気がないわけではなく、石川アールス、クラウン、シャイン、マンゴーなどアイテムは揃って、いいものはしっかり動いています。ただし、この梅雨期で品傷みが出やすくなっており、商品管理にはかなり神経を使うところです。特に桜桃は要注意。西瓜はまずまず動きもよくこの週は露地作に入り増量傾向で、デラウエアも最盛期に入ります。モモは白鳳が出てくるため一番の売り時となります。例年、ルビーロマン初せりはこの週ですが、今年はおそらく後の週にずれ込むでしょう。
 輸入フルーツは、数週間後には南米中心から北米へと中心産地が移り変わる時季が来ますが、この週に大きな変化はありません。変動といえばアメリカンチェリーが産地で雨が降り、ビングは終了。晩生種「スキーナ」の入荷に替わります。