青果物の週間情報 【2020-W32】

■週の概況 第32週 8/3(月)~ 8/8(土)

【全体】
 長かった梅雨ですが、もう開けたも同然。これからは30度越えの暑い夏日となるでしょう。観測史上一・二位を争う“日照不足”からようやく脱し、生育不調を取り戻す転機となりそうです。ただし数量回復の度合いは品目によって差があり、果菜・根菜・土物は増量が順調、葉茎菜は増加が目立たない展開と思われます。一方で猛暑となれば食欲は減退するため、この週は消費が鈍くなるかもしれません。さらに注意点として、長雨後の暑さで青果物の傷み・病気が多くなりますので、保存管理に神経を使う必要があります。
 これまで、例年のパターンと大きく違う異常高値が続いたため、今後が非常に読みにくい状況です。普通の年ならばこの週は値を下げ、その次の週から旧盆にかけて再び上げていくのがパターン。今年も同じ展開になる可能性はありますが、量が思いのほか増えなければ高値がだらだら続くかもしれません。今後のメリハリのある販売のためには、量が回復し全体的に値を下げる方が産地・市場・小売ともに望ましい展開と思います。

【野菜】
 長雨の影響で長野県産野菜は少量高値傾向。特に白菜とレタスの強気が目立ちます。キャベツは雨による傷みに注意が必要です。ねぎは山形の大雨被害、北海道産の出遅れなどで量が少なく高値です。菜類は保合予想ですが、ほうれん草は岐阜産が週末に減り込む可能性あり高含みです。菌茸類は比較的順調ながら、もともとの減産計画であり、他の高値品目を嫌って代替え的に引き合いが高まり、強保合です。
 果菜類・豆類も少量で高単価が続きましたが、この週は期待も込めて増量・下げを見込みます。ただし山形県の豪雨被害が茄子と枝豆に出ており、当初の予定より数量減です。茄子は他県産の増量が順調ならカバーは可能ながら、品質不良が出やすい状況で注意が必要です。胡瓜とトマトは徐々に増量し、やや下げを予想します。
 根菜・土物類は今までの異常高値がリセットされる品目が多く、認識を新たにする必要があります。理由は北海道産が出てきたこと。道内の各地域によって温度差はあるものの、まずまずの作況であり、人参・大根・馬鈴薯・玉葱は増量下げとなります。蓮根とさつまいもは石川県産が出始めます。長芋は需要期に入り、価格は保合です。

【果実】
 地物の梨が新水から始まりました。8月8日から幸水が始まり、いよいよ梨のシーズンが本格化します。ただし今年は例年に比べ成りは悪く、数量は少なめとなりそう。すいかは地物では能登産中心ですが、山形県産が豪雨被害を受け当初計画より少なくなりそうで、旧盆前のすいか全体の必要量確保に黄信号が灯っています。山形県産と言えばメロンやデラウエアもあり、やはり数量減は避けられないところ。モモは福島県産が中心になります。ルビーロマンは天候不順でなかなか糖度が乗らず、出荷は遅れ気味のペースでしたが、この週の後半から本格化する見込み。産地は昔よりも旧盆需要期に数を出せるようになったきたのでこれから期待大です。ハウスみかんはギフト需要によりやや強気配です。
 国内果実に比べ、今、輸入物はどうしても陰に隠れがち。品揃え的にもここしばらく変化はありません。中でハネデューメロンは、食味が良くお薦めです。キウイはゴールドが大玉から終了に向かい、アボカドは小玉傾向により大玉が品薄です。