青果物の週間情報 【2020-W36】

■週の概況 第36週 8/31(月)~ 9/5(土)

【全体】
 ひと月前は総じて少量高値だった野菜群ですが、今は急増し値を大きく下げるもの・まだ増えず堅調なままのものと品目によってばらつきがあります。ただ全体としては平年並みに戻した感があり、特別にひっ迫し高騰している品目はありません。一方の果実は主力が軒並み数量不足であり、国内果実は高値感があります。
 この時期にしては連日の異常高温であり、食欲不振で消費は鈍いのが現状です。各売場はまだ秋向けの構成にシフトできれない悩みを抱えていると聞きます。しかし、この週末を境にさすがに嗜好は変化してくると思われ、消費喚起を促す意味でも秋商材をメインに打ち出すのが吉かもしれません。

【野菜】
 葉茎菜類では白菜・キャベツは目立って増えず、価格は堅調を維持する見込みです。アスパラ・ブロッコリーも高値基調でしょう。反対にネギ、ほうれん草など菜類は平年よりやや安値傾向です。レタスは安定して増量傾向を見せ、価格も下げてくると予想します。まだ残暑厳しいながら青果売場はしだいに秋商材として菌茸にも目が行く時期となり、引き合いは徐々に強まるでしょう。松茸は雲南省メインで徐々に北部産も加わり、またカナダ産も始まります。
 果菜類では胡瓜とミニトマトの増え方が大きく、今までの堅調ぶりから一転して大きく下げる気配です。ナスも増量し平年並み価格に落ち着きそう。ピーマンは小強く堅調維持の予想です。カボチャは北海道産が潤沢で、平年よりやや安価な展開の見込みます。
 根菜類で大根、人参は、端境期や雨不足により入荷は少なめながら、消費も活発でなく保合の見通しです。今まで高値だったかぶらは青森産の増加となり平年並の価格に落ち着くと予想。反対に蓮根と甘藷は例年よりハイペースで出ており、安値展開の見通しです。牛蒡は青森産、里芋は大阪産が予定よりやや早く出てきております。馬鈴薯・玉葱は潤沢安値傾向です。まだ暑さ厳しく今は供給過剰感がありますが、秋の到来に向けての量販が期待されます。

【果実】
 国内果実はおしなべて例年より流通量が少なく単価高です。販売する上で品揃え・価格訴求ともに難しい時期ですが、地物のいちじくや大粒系のぶどう(巨峰、シャイン、ルビーロマン、ピオーネなど)、りんご(サンつがる中心)をうまく組み合わせた商品構成が可能かと思います。反対に桃やハウスみかん、デラウエアなどは終了し姿を消します。主力の梨は、幸水に替わり豊水、20世紀へ品種交代が進みますが、やはり例年より少量傾向です。初売り10万円を記録した「加賀しずく」は火・金の2回の販売です。メロンは静岡と北海道より順調な入荷を見込みます。
 輸入フルーツはキウイ、シトラス3品などは安定した入荷を見込みます。HDメロンは一時的にやや減少し、フィリピン産のバナナ、パインはやや不安定な入荷状況です。9月上旬は大きな変化なく推移し、中旬以降は米国産ブドウが多品種入荷できる見通しで、産地の改良も進み、非常に品質の良い商品が期待できます。