Go To トラベルの密と過疎
「Go To Travel キャンペーン」が始まって、この4連休の人出が注目されたが、金沢は予想以上に賑わったようだ。しかしその反面、郡部では・・・。
「Go To Travel キャンペーン」は、新型コロナウイルスで落ち込む観光需要を喚起するため、旅行代金の最大5割を補助する国の観光支援策だ。
来年1月まで予定されている。
支援額の上限は1人1泊あたり2万円、日帰り1人1万円。
どうせならということで、日帰りよりも宿泊、それも高級ホテルや高級旅館に人気が集まっている。
写真は金沢カレーの代表店「ターバンカレー」の前である。
店が狭いこともあるが順番待ちの長蛇の列だ。
この100mほど離れた場所で義弟が経営する「金澤ななほしカレー」も非常に多くのお客が押し寄せた。
そして、それどころではなかったのがひがし茶屋街や近江町市場である。
近江町市場は年末かと思わせる人出だった。
市安商店の安田さんは「あまりの人出で(コロナが)怖かった。皆がマスクをしているならいいのだが、買い食いをする人がたくさん歩き回っているから・・・」と困っていた。
経済を回す狙いどおりの効果があったのは喜ばしいことだが、この一週間先、二週間先はどうなるのかという不安も当然ついて回る。
今までの自粛ムードとは一転。あまりにも大きな落差であった。
そして、まったく逆の世界、真反対の事象もある。
うちの会社の役員の身内に不幸があり、奥能登で通夜があった。
金沢からは車でも2時間かかる場所であり、家族葬の形式なので参列ご無用とのことで、私は行かなかった。
後で聞いた話では、式場のルールとして、家族以外が参列に来ても中に入ることができず、来た人は受付で係に香典等を預けただけで帰ってもらったのだそうだ。
せっかく来てくださったのに挨拶もできなかった、と遺族は申し訳ない思いで一杯だったという。
これまたなんと極端な、である。
金沢は密も密、大密(おおみつ)な状況なのに、過疎の地では人が挨拶を交わすこともできない。
多分、奥能登にウイルスは存在すらしていないと思うが。
コロナへの向き合い方が両極端になってしまうのは今は仕方がないのかもしれない。
しかし、どちらも行きすぎた感がある。
メッセージを発すべきは国か、首長か、マスコミか。
はたまた個人レベルか、野放しか。
滑稽な現象ながらも悩ましい。