
石川県産オリジナルのりんご「秋星(しゅうせい)」が始まった。
出荷者はJA金沢市東部集出荷場。
今季は34戸の農家による共撰出荷とのことだ。
来週にはJA珠洲からも入って来る予定だ。

秋星は石川県農業総合研究センター(当時)で育成され、市場には平成19年から流通が始まった。
開発・デビューまでに15年の歳月を費やしている。
母はふじ、父はつがるである。
平成17年に名称が一般公募され、「秋星」に決まった。
これは郷土が生んだ文豪「徳田秋声」にちなんだものだ。
果汁が豊富で、甘さの中に適度な酸味があり、濃い真っ赤な表皮、大玉の美しい円錐形が特徴である。
出回る期間は10月中旬~下旬の1ヶ月弱と短く、生産量が多くないため、店頭で見かける機会が少ない。
だが近年は熊に食べられる被害が続出しており、量の減少が懸念されている。
秋星は木の高さが低いことから、獣害を受けやすいのだ。
それにしても熊の出没とは異常事態である。
今季は夏の天候回復で糖度は例年以上に高く仕上がったのでおいしく食べられそうだ。
石川県のオリジナル品種なのでもっと県内全域に広めたいところだが、石川はりんご栽培の南限と言われ、なかなか担い手が増えないのが難しいところだ。
卸売市場としては大切な地元産品として有利販売に努めなければならない。