会社の直営農場「ファーム菜四季」に行ってきた。
ブロッコリーが収穫時期を迎えている。
スタッフは、今年は軸が細いと心配していたが、今見るとけっこう太く育ってきているようでちょっとほっとした。
直径12㎝前後のLサイズが一番求められ、また値段も高く売れるらしく、そのレベルのものを選んで収穫する作業がメインだ。
ひとつずつ大きさを見定めながら収穫し、周りの葉っぱを荒く刈り取ってかごに入れる。
そうして集められたものを、さらに周りの余計な茎をきれいに切り取って整形する。
花蕾の形の悪いもの、わずかでも傷みが出ているものは撥ねられる。
その選別たるや厳しいの一言。
ほんのわずか、ちょこんと黒い点があると、もう撥ねてしまう。
時間が経つとそこから傷みが広がってくるそうだ。
もったいないが仕方がない。
(1割ぐらいはそういうものが出るため、もらって家で試食するには事欠かない。)
ブロッコリーは「ファーム菜四季」として出すのではなく、農協の共撰に参加して出荷する。
午前10時までに共撰場に持ち込まなければならず、時間との勝負だ。
完全共撰だから、流通に乗ってしまえば、どれがうちの畑で採れたものかわからなくなる。
顔が見えなくなるという欠点はあるが、出荷が長く・品質が均一に続くという長所がある。
零細な生産者が大多数の日本の農業事情では大切な仕組みだ。
とにかく、様々に手間をかけてきた成果がこの瞬間だ。
スタッフの苦労が報われるよう、自然と祈りたい気持ちになる。
満足のいくものに仕上がること。
食べておいしいと喜ばれること。
適正な価格でお金になること。
すべて、作り手のモチベーションには欠くべからざるものである。