農協とは多品目の取引が重要

先日、うちの社の社長が昔からとてもお世話になっている農協に出向いた。
今後さらなる取引拡大をお願いするためである。

そこでたまたま産地の出荷会議に出席する機会を得た。
なんとその会議のメインテーマは、ある果実について、これまで7社に対し出荷していたのを3社切って4社に集約しようということだった。
我が社は幸いにも残る4社の方に入っていたが、もし別の農協なら切られる側にもなり得るのだ。
切られれば翌年からその農協の青果物は入ってこない。
卸売会社にとって産地から切られることは経営上の大きな損失である。

農協の生産部会は、出荷する卸売会社を決めている。
例えば、A農協は大根においてはB市場とC市場とD市場の3カ所に出荷していて、人参はB市場とC市場とE市場の3ヶ所に出しているとする。
農協にしても最近は人手不足で、輸送便を仕立てるのが大変だ。
そこでできるだけ有利に販売してくれる市場に集約しようとする動きが近年盛んである。

上の例の場合、A農協はD市場とE市場を切って、B市場とC市場に集約することになる。
Dは大根、Eは人参の単品しか扱っていないからだ。
BとCに比べDとEは付き合いが薄いということだ。

我が社にしても、農協によっては単品しか取引がないところが少なからずある。
今後はこれではダメですよ、単品しか取引がない農協に対してはなんとしてでも取り扱い品目を増やし2つ、3つ、4つと拡大していかねば関係が切れてしまいますよ、という問題提起である。

よって、営業マンも自分の担当品目のことばかり考えていてはいけない。
出張の際には、自分の品目だけでなく、あれも扱わせてください、これも売らせてくださいと広く要請するアクションが必要だ。
そのためには他の品目の勉強も必要。
この時期、うちには何が足りないかといった全体の知識も必要。

ますます営業は大変になるが、網羅的な視野と知識を持つことが明日につながる。
日々の勉強と意識付けを会社全体で取り組まなければならない。