例年、11月6日あたりがカニの解禁日である。
オスのズワイガニは解禁日から翌年3月まで、メスの香箱(こうばこ)は翌年1月10日まで漁が許されている。
石川県民は香箱が好きだ。
・カニ味噌、内子、外子の味が楽しめる。
・一杯(一匹のこと)が 一人前に丁度いい大きさ。
・価格が安い。一杯1000円。
・2ヶ月限定で出回り時期が短いため、旬を強く感じる。
また、香箱はそのほとんどが県内で消費される。
石川を訪れる観光客のお目当ては加賀料理などの石川の食だ。
冬ならば絶対的な花形がカニである。
私は八百屋なので、残念ながら、という言葉を使う。
残念ながら、石川、金沢の食の中心は魚である。
野菜ではない。野菜は脇役だ。
悔しいけれどそれが現実。
それを証拠に、11月7日以降になると、中央卸売市場は水産側はとても活気がありが、青果側はどこかひっそりしている。
売り上げも毎年11月はパッとしない。
昔からこの怨念があるから、青果市場はルビーロマン100万円!などと話題を作って復讐しているのだ。
だが、やはり人々の本当のお目当ては魚である。
それでいい。
石川県の農業はあまりにも規模が小さい。
基幹商品に野菜や果物はなり得ないのだ。
ないものをいくら振りかざしても無理がある。
青果は脇役に徹し、時々ちょっととんがった話題作りをしていればよろしい。
その代わり、とびきり個性的でとびきり頭の切れる集団になってみせよう。
だから、石川の自然産業の代表として、水産にはもっと頑張ってもらいたい。
石川には他にもいいものがたくさんある。
俗に言う、石川県のAKB。
A…甘エビ
K…カニ
B…ブリ
さらには能登フグという、漁獲量は日本一のくせにあまり知られていないブランドもある。
石川の食はまだまだブレークする余地がある。