加賀丸いも初せり、老舗料亭「つば甚」さんへ!

写真左:つば甚若女将のまん中:つば甚の川村浩司料理長、右:丸いも生産協議会の岡本豊会長

石川県加賀地方の特産品「加賀丸いも」の本年度初せりが行われ、最後の2個入りプレミアム1箱が3万円の値が付いた。
仲卸の丸新青果がせり落とし、金沢市寺町の老舗料亭「つば甚」さんへと渡った。

一昨年と昨年は産地のおひざ元の旅館、辰口温泉「まつさき」。
今年は名料亭の「つば甚」。
丸いもの初せりの行き先は、食材の素晴らしさを深く理解する地元の老舗がふさわしい。
つば甚・若女将の鍔(つば)裕加里さんはこの日のために3時起床で気合いを入れて来られた。

つば甚の川村料理長は、お店で出すお吸い物の真薯(しんじょ)には必ず丸いもを使われるほどの“丸いもマスター”である。
今年は若い衆を引き連れ産地に出向き、丸いものつる巻き体験をされた。
食材への知識を深めるため。頭が下がる。

また、今年はつば甚を筆頭に県内24店もの料亭・レストランが創作料理を発表して消費普及に協力している。
私はこの産地の純粋さ、ひたむきさが大変好きである。

ひたむきでないとGI認証(地域的表示保護制度)には登録できない。
GIは地域ブランドの証で、風土や伝統が育んだ特色ある地域産品を保護する為の制度である。
合格はかなりハードルが高いのである。

生産者代表の岡元豊会長は「今季は台風の被害がなく、ムラなく形の良いものができた」と作況に自信をのぞかせていた。
また、小松市などで新規生産者も増えたとのこと。
生産者が増える産地は食材に魅力があることと、それを支える生産者たちに人徳があることが必須条件だ。

加賀丸いものことをもっと地元消費者が認知し、家庭内でも“普段使い”する日常となることを願う。
それには卸売市場もひたむきに活動を続けなければならない。