■週の概況 第50週 12/7(月)~ 12/12(土)
【全体】
野菜の市況低迷が続いている。一般消費者の間でも「最近野菜がとても安い」というイメージが根付いているようだ。産地では重量野菜の出荷調整や下等級品の絞込みが行われているが、この週はまだ相場の浮上には到らないというのが大方の予想だ。ただし、大底を打った感触があるのも事実で、この週は全体に安値のまま保合、さらに翌週からジリ上げに転じ12月の後半へ入っていく流れだろう。さらに20日過ぎから年末需要に乗って市況が回復するというのが短期的展望だ。
現時点は消費も活発ではない。特に郡部では家庭菜園がまだ豊富に残り、師走の慌ただしさは影をひそめている。一方、人々はコロナ禍の年末年始にあまり出歩けないことを想定してか、おせち料理の注文が例年の倍以上、しかも高単価のものに人気が集まる風潮がある。凹む分野あれば凸る分野あり。販売環境の厳しい中、何に需要が集まるかを察知し、機敏に対応する必要がある。
【野菜】
葉物野菜はまだ厳しい状況が続くだろう。白菜とキャベツは安値が目立ち、1玉100円割れが当たり前に落ち込んでいる。ねぎは比較的堅調で動き良く、この週も保合予想。ホウレン草は値ごろで特売に入りやすく動きはまずまずだ。ブロッコリーは一時の爆発で大ナヤミだったが、そろそろ反転の気配がある。きのこ類は他の野菜に比べればはるかに健闘しており、冷え込みと共に需要も上がってきている。
果菜類もこの週はまだ浮上できず我慢の週か。ただし胡瓜やナス、ピーマンなどは数量が減って底値は脱した感がある。トマト・ミニトマトはこの週はまだ低調と思われる。南瓜は鹿児島・石川産が始まるもののまだ少量であり、やや強含みである。
根菜類は大根が依然低迷中だが、気温低下もあり動きが少し出てきたようだ。かぶらも安値だが、かぶら寿司需要もあって引き合いは強まり、10日よりは大野葉菜からの出荷も始まる。人参は愛知碧南産の本格化で価格は下げ。蓮根・さつまいもは需要期に入り、小玉傾向で太物が少なく、大きいサイズは品薄高値である。お節用のくわいが出始め、作付け減少ながら前年並みの入荷を見込む。
【果実】
国内果実では、早生みかんにだぶつき感がある。産地出荷計画よりも早くに早生のピークが到来したためだが、逆に20日を過ぎると減少幅が大きくなることが想定され、年末年始に慌てないように準備しておく必要がある。りんごは青森と長野豊野は順調な入荷だが、トップブランドの志賀高原産はつる割れが多発しており正品率が低く、秀品大玉で品薄高値となっている。柿は生の甘柿系は終盤に入っての残量販売となる。ころ柿はピークを迎えるが、やや小玉の比率が高いようで、注文に応じハーフサイズ箱の販売も行う。イチゴは順調に増量しており、価格も少しずつ適正なレベルに下がってきており、生食用の供給に問題は出ていない。国内産キウイやデコポン、紅マドンナといった柑橘類が順調に入ってきている。西洋ナシはラ・フランスは終了し、ル・レクチェが年内一杯販売される。
輸入フルーツは大きな変化はなし。12月は国内果実がどうしてもメインで、輸入はサブ的な位置づけであり、バナナ、オレンジ、パイン等々、各品目安定した入荷である。