■週の概況 第53週 12/27(日)~ 12/29(火)
【全体】
状況変化がめまぐるしいため、年内最終三日分のみの入荷見通しを記す。
12月中旬まで低調だった野菜は、年末にかけ相場上昇をみせている。特につい先日まで不振を極めていたダイコン・ホウレン草・ブロッコリーなどは太平洋側の干ばつと冷え込みの影響で生育が進まず、年末年始に充当するには品不足の様相さえ呈してきた。27日は東京市場が休市のため、関東仕向が中心の農協は出荷を休むところもあり、一層荷物が薄くなる。ただ、最低限必要な量は確保できると思われ、価格も極端な暴騰はないだろう。今まで安かった野菜群が平年並みの年末相場に戻すといったイメージか。
果実はおおむね年内出荷にけりをつけた品目が多く、最終日まで入荷が続くのはイチゴとミカンであり、双方潤沢な出回りとなる。
【野菜】
白菜は潤沢だが価格は底上げの見込み。キャベツは愛知産少ないながら価格は保合。ネギは需要強く、前週に高騰したまま強保合の予想。ほうれん草は干ばつで数量減少し、かなり値を上げそうな雲行き。金時草も同様に上げるだろう。ブロッコリーも玉伸びに難があり、数量不足で強相場。椎茸は産地が温度管理に苦労し、思いのほか発生が伸びず強含みとなる。特に原木椎茸は能登の大雪により年内入荷が絶望的な状況であり誤算となった。正月需要が強い三つ葉は、強含みながら必要量は確保できそう。一方、せりは産地出荷数量が伸びず、品薄感が出てきており要注意だ。
果菜類は品目によりけり。キュウリ、ピーマンは上げ模様ながらナスは軟調の見通しである。トマトも潤沢で価格は横ばい予想。大葉・ミョウガなど妻物類は業務需要の減少で例年より静かな展開だが、年末でそれなりに強含む。正月需要があるわさびは、太物が潤沢だが、中細サイズは少なく需要に足りていない状況だ。
根菜類では長期に渡って低迷していたダイコンが関東産の生育不調により太物少なく、不足感が出て上げ市況。人参もこれに似た状況にあり、堅調である。大暴落していたカブも最後にきて大きく値を戻し、年末さらに強含みの予想。蓮根、サツマイモは小さいサイズは潤沢で廉価ながら、太物が足りず高値となる。馬鈴薯・玉葱・長芋など北海道産は年内入荷をほぼ終了したが、年末年始の必要量は十分に確保されている。
【果実】
国内果実では、りんごの年内入荷がほぼ終了し残量販売だが、28、32玉クラスが品薄でひっ迫。36、40玉は潤沢で余剰がある。デコポンや紅マドンナといった贈答用品目も年内の入荷が終了したが、今季は不作で数量不足となっている。その他、冷蔵柿も最終3日間は入荷がない。ころ柿の共選物と福岡産キウイは28日の販売で年内終了となる。みかんは長崎・福岡とも早生・普通の両方を連日入荷しており数量は潤沢だ。メロンも止め市まで連日入荷し、大玉傾向である。イチゴは30日の休日対応も含め連日入荷し、数量も例年より潤沢となっている。
輸入果実はすべて順調な入荷を見込む。価格はアボカド、葡萄類がやや軟調でその他はおおむね保合を予想。柑橘類のメロゴールドは酸味少なくさわやかな甘さが好評で、今が旬でおすすめである。