正月に年神様をお迎えする大切なお供え物「鏡餅」。
毎年、年末に会社の鏡餅をしつらえるのは私の役目である。
昨年のこのブログに写真とともにアップしている。
今年の鏡餅(この言い方は正しいか?来年の、というべきか?)はこんなである。
鏡餅は全国的には白の2段重ねが主流だが、金沢では紅白を使う習慣だ。
由来は、藩政時代にあるらしい。
加賀藩年中行事図絵や儀式風俗図絵などで紅白の鏡餅が描かれている。
紅白2色を使うようになった理由ははっきりしないが、諸説ある。
公家文化に反対する武家の形式を受け継いだという説。
紅白がめでたさを表しているから採用したという説。
前田家の家紋が梅で紅白梅に通じているという説。
前田利家が派手好きだったからという説。
前田家が祖とした菅原道真の紅梅・白梅にちなんでいるという説。
倶利伽羅峠の源平合戦の平氏の赤旗・源氏の白旗を表しているという説。
また、前田家(殿様)では上が白で下が赤だったとされ、庶民とは上下逆の色使いになっている。
この理由についても諸説ある。
殿様と庶民との身分関係をはっきりさせるためとする説。
明治時代になったのを機に、時代が変わったと意識づけるために逆転させた説。
私などは、単純に、美しいという理由で、金沢の鏡餅は素晴らしいと思っている。
なぜ他の地がこれをマネしないのか不思議なくらいだ。
こうした意味ももしかしたら戦前はきちんと継承されていたかもしれない。
失われつつある伝統をこれからの社会はちゃんと受け継いでいけるだろうか。