毎年、1月2日は石川県羽咋市の妻の実家に行く。
義父母、私の一家4人、妻の弟の一家4人の計10人で夕食をとるのが最近のパターンだ。
子どもが小さいころは泊りがけだった。
孫が来るのは何よりの喜びだろうから、一泊するのは当然の務め…と私も覚悟したものだが、義父母としてはご馳走を用意したり振る舞ったりは大変な重労働であったろう。
近年は、義弟のお店が毎年3日に開く都合上、二家族とも日帰りになった。
正直、婿たる私は気楽になった。
義父母の方は、孫と触れ合う時間が少なくなって物足りないかもしれない。
が、お年を召してくると、二家族をもてなすパワーはかなりの負担となる。
案外、義父母もほっとしているかもしれない。
かくいう私自身もそうなってきた。
昔なら好きなことは何日だろうが夜を徹して没頭するスタミナ&パワーがあった。
今ではそんな無理は効かない。
程よい短めの時間で切り上げ、ちょこちょこと継続するスタイルがよろしい。
義父は80代後半の年だが驚くべき才人である。
多方面に知識豊富・経験豊富である。
いつも私は90%聞き役だ。
今回面白かったのは「鼻うがい」の話である。
義父は50年以上、風邪をひいていないという。
何でも風邪のひき始めには、耳鼻科の領域と内科の領域の瀬戸際の一線があるそうだ。
1)耳鼻科の領域=なんとなくのどがむずがゆく、あれ?もしかして風邪かな?と感じるまでの頃合い。
2)内科の領域=「耳鼻科の領域」を放置したがため、喉が腫れ、鼻水・くしゃみ・せき・発熱などの症状が出てきた頃合い。
義父は1)の時点で「鼻うがい」を徹底して行う。
これで風邪のひき始めはぴしゃりと治る。
内科の領域に行っては手遅れ。
耳鼻科の領域で風邪の芽を摘む。
とのこと。
鼻うがいとは、水に食塩を溶かした生理食塩水にうがい薬を入れ、鼻から吸入するうがいだ。
体液と同等の濃度であれば、鼻を通っても全く痛くない。
「耳鼻科の領域」を感知したら直ちに鼻うがいができるよう、義父は風邪が流行している時季は常に手製の生理食塩水をボトルに入れて携帯している。
「このくらいの濃さだよ、飲んでごらん」と舐めさせてくれた(笑)。
「すっきりおいしい薄めの味噌汁の濃さだ」と教えてくれた(笑)。
最近は健康長寿の秘訣と銘打って新しいサプリが次々登場しているが、50年以上無病息災でいられることは、卑近な生活の知恵でいくらでも実現できる。
しかもほとんどタダだ。
先人の知恵を大いに学びたい。