■週の概況 第2週 1/5(火)~ 1/9(土)
【全体】
年頭から野菜は見通しがつきにくい状況だ。すべては年末30日から元日にかけての寒波・大雪次第。冷え込みのため全体的には数量減少傾向だが、降雪がそれほどでなければ、ある程度の入荷は確保でき、市況は保合もしくはやや強含みの品目が多くなる。しかしもし大雪で収穫のストップ、幹線道路のマヒ、露地野菜の凍傷など不測の事態が起これば一気に状況は悪化し、ひっ迫・高騰につながる可能性をはらむ。
他にも、今まで経験したことがない諸条件がある。コロナ禍で人々の外出はまたも自粛傾向となり、業務需要は苦戦を強いられ、巣ごもり需要が再び起こると言われている。また、1月6日は東京市場が臨時休市のため出荷を見合わせる産地があり、週の前半は入荷量の不安定な日々が続く。以上のような条件が複合的に絡まり、年始の市況は振れ幅の大きい、不透明な情勢と言わざるをえない。
【野菜】
葉茎菜類は寒気の影響を一番受けやすく、年末高値をひきずっての保合、もしくは年末をさらに上回る相場も出そうだ。一番ひっ迫しているのはホウレン草で、寒波で生育が進まないため極端な品薄になり、年初も流れを引きずって品薄単価高となる見込みだ。ネギも高値基調を維持しながら強保合を予想。白菜、キャベツも底上げ続伸の見込みである。新年だけ需要がある「七草セット」は、寒波による生育停滞および産地人手不足により、例年より数が減少する見込みだ。
豆類が全般的に少なく、品薄感がある。特にキヌサヤは年末に激減し価格を跳ね上げたが、正月のお雑煮需要が落ち着くとある程度沈静化するだろう。トマト、キュウリ、ナスなど果菜類は、他の品目に比べれば順調な入荷見通しながら、降雪の具合で大きく状況が変わる。妻物類は、大葉・ミョウガを筆頭に年末需要を過ぎて値を下げる品目が多そうだ。
馬鈴薯・玉葱など土物類は、年頭に必要な量は年末に入荷を済ませ問題ないが、1月上旬は例年より少なめの入荷ペースになりそう。ただし例年、降雪による物流の混乱が1月以降まれに起こるため、常に注意が必要となる。大根・人参など根菜類は露地物が多いだけに冷え込み・降雪の影響を強く受け、入荷数量の日々の増減が大きくなる。
【果実】
国内果実では、みかんは各産地晩生種となり、まずは順調な入荷見込みである。晩柑類が徐々に出てくるが、伊予柑はごく少量で本格化はまだ少し先だ。八朔は初売りより和歌山県産を中心に始まり、順調な入荷を見込む。りんごは青森県産の農協物は週3回の入荷で、年明け以降はやや下げの予想。イチゴは現時点で年明け順調な入荷見通しで徐々に増量しながら単価もこなれてくると見込まれる。
輸入フルーツは年末・年明けの変動は受けず、どの品目もほぼ保合で順調な入荷を見込む。中で、バナナは潤沢な入荷を見せ、若干の値下げができそう。冬季は国内果実の主要品目が限られてくるため、年明け以降少しずつ、輸入フルーツの存在感が増してくる。