■週の概況 第3週 1/12(火)~ 1/16(土)
【全体】
年明け早々の大寒波、コロナ禍による首都圏の緊急事態宣言と、波乱含みのスタートである。不安な日々が続くが、人々の生活に欠かせない青果物の安定供給は、世相に関わらず堅持すべきものだ。本年も有益な情報を提供し続けていきたい。
冬の嵐と降雪により、物流と生産で混乱・被害が生じている。物流面では青果物を積載したトラックが立ち往生するなどで延着、出荷止めが多発しており、生産面では強い風と積雪でハウスの損壊が出ている。連休明けは不透明ながら品目によって凸凹がありそう。また寒波により野菜の生育は停滞気味となり、出荷数量は全体的に少なめの週となるだろう。ただし週後半からは気温がグッと高まり、状況はまた変化する可能性がある。
消費面では、野菜の巣ごもり需要が再び起こり、一般野菜はそれなりに動く期待感がある。特に日持ちがする土物類などは比較的好調な気配だ。逆に業務筋がメインの高級食材や妻物類は、行き場がなくなり厳しい販売環境にさらされそうだ。また野菜に比べ果実の消費は低調で、量は潤沢にありながら荷動きは鈍く、苦戦している。
【野菜】
白菜は冷え込みで需要が高まり、キャベツは値ごろ感もあって動きは良好だ。ネギは高値反動で下げ予想だが、石川県産は雪のため出荷が激減しそう。菜類は全体に少ない中、ホウレン草は年末年始の高騰が一服し高止まりの見込み。キノコ類は暮れ正月の休みも終え徐々に増量し価格もこなれてくる見通しである。
果菜類ではピーマンやナスは寒波による生育停滞で数量減少。価格も保合もしくは強含みである。胡瓜やトマトは安値潤沢だが徐々に落ち着き、価格もゆるやかに戻していく方向。カボチャは輸入物メインに加え、鹿児島産と沖縄産を入荷する。豆類は種類も量も増える時期ながら、その度合いはゆるやかでやや単価高だ。大葉を筆頭に妻物類は、外食産業の苦境を背景に極めて厳しい販売環境に陥っている。
根菜類では、冷え込みにより大根の動きが良くなることを期待。人参は愛知県産の増量で潤沢感が増す。レンコンは降雪により収穫減の見込み。牛蒡は昨年の生育期の天候不良で不作傾向であり、例年より高値が続く。コロナ禍の巣ごもり需要では持ちの良い青果物が好まれる傾向にあるのか、土物類は比較的動きが好調のようだ。馬鈴薯は例年より高値ながらまずまずの荷動きで特に北海道産男爵は品薄感あり。玉ねぎは値ごろ感もあり動きが好調である。
【果実】
国内果実は、総じて順調な入荷である。これから旬を迎える柑橘類では、八朔・デコポンが潤沢。伊予柑も徐々に本格化する。またポンカンが愛媛や高知から、せとかが佐賀や愛知から始まり、晩柑類の層を厚くする。柿類は、干柿・冷蔵柿ともに入荷終了となる。みかん・りんごは潤沢な入荷を見込む。冬の主力品目であるイチゴは例年よりは順調に入っているが、高値を維持しているためか消費はやや低調に推移している。
輸入フルーツは浜在庫が潤沢であり、安定価格・安定入荷が図れるが、バナナなど一部品目で降雪による輸送麻痺が散発しており、物流面での影響が懸念される。価格は全品目とも保合を予定している。