ドラッグストアーの出店攻勢がすさまじい。
スーパーの一番のライバルは、今やドラッグだ。
ここ石川県では地元資本のクスリのアオキが有名だが、この1年で物凄い進出ぶりを見せるのがスギ薬局だ。
スギ薬局は愛知県が地盤。
調剤併設型ドラッグストアの草分け的存在だ。
北陸3県での店舗数を2024年2月までに100店舗(一説によると200店舗)に増やす計画というから驚きである。
確かに、金沢市内に空き地があるとやがてスギ薬局が立つ。
スギ薬局から向こうの角を眺めると、そこにもスギ薬局が立っている!という有り様だ。
資金面、収益面はもちろんだが、人的資源が追いつくのかが不思議に思われる。
スギ薬局の強みは調剤である。
調剤には薬剤師がいる。
どんなお店もパートタイマーの確保で四苦八苦している中、特殊技能者である薬剤師がそうそうたやすく補充できるのだろうか。
そこである人に聞いた話。
スギ薬局は薬学部のある大学に研究費の資金協力をしているそうだ。
その代償として、薬剤師の資格を得た卒業生を社員として迎え入れる。
薬剤師の就職希望の一番手は薬品メーカーである。
二番目は大学病院である。
しかしここに行けるのは薬剤師の中でも一握りのエリートだ。
希望順位としては三番目かもしれないが、経営基盤のしっかりしたドラッグストアーへの就職が保障されるなら、学生にとっては魅力的かつ安心なルートになる。
スギ薬局は調剤併設型を武器にライバル店と差別化を図る。
調剤に加え、化粧品に力を入れる。
化粧品は収益率が高いという。
食品は扱うには扱うが、ライバルに比べれば力の入れようは少ない。
特に生鮮の扱いは軽めだ。
生鮮食品は品質管理が難しく、いいものを常備するなら人を張り付けなくてはならない。
クスリのアオキは、反対に食品に強みがある。
生鮮に対しても他のドラッグに比べ一番積極的であり、生鮮専門の担当をつける店舗もある。
自社の付加価値をどこに定めるのか、企業の経営戦略の要諦である。
スーパーマーケットにもそれは求められるだろう。
辿っていけば卸売会社にも同じことが言える。
つまり、我が社は付加価値をどこに定めるか。
それは言葉に表わすことができ、意識的に構築しなければならないものだ。