街の名医さん

昨日、仕事中に妻から電話があった。
「38度の熱がある」

この一年、発熱と言えばコロナ?の恐れが巻き起こるほど我々にとって過敏なものとなっている。
すぐに病院か発熱相談センターに電話して、指示を受けるように言った。

妻は近所の内科にすぐ電話をした。
日ごろ私もお世話になっていて、とても信頼できる優秀な開業医の先生だ。
電話口で看護師さんが「では○時に来てください。院には入らず、駐車場で待機してください。先生が車まで行きます」との指示だった。

約束の時間ぴったりに先生が院から出てこられ、外で防護服にさっと身を包み、フェイスシールド、手袋などを付けられ、車までやって来た。
「(車の)ウインドウを開けて下さい」
「鼻の穴に検査棒を入れます」
「10分程度で結果が出るのでこのまま待っててください」

ここまでものの数分。
そして10分後、「コロナ、インフルエンザとも陰性でした。よかったですね。帰って静養し、もし4~5日しても体調が良くならなかったらまた来てください」と言われ診察は終了した。

妻はこの日、まったく別件で大手の病院に行く予約があったが、その病院から「熱があるなら来ないでください」とすげなく断られた。
クラスターを恐れ、外来を拒否する医療機関は今多い。
致し方ないとは思う。
しかし患者からすれば、心身ともに切羽詰まった状況で診療拒否というのは不安極まりない。

その点、この近所の内科先生の対応のなんと見事なことか。
診察方法は極めて合理的だ。
患者本人の車内で検査を完結し、院内感染の危険はなし。
短時間で済み、陽性陰性に関わらず患者はすぐに次の対応に進める。

この方式は一般的なのかそうでないのか。
医者はみな真似すればいい。
大病院でも、外に仮設の検査所を設ければさらに合理的にできるだろう。
今回のことで、くだんの内科先生に対する信頼感が一層増した。
心から感謝である。