顔の見える中能登生産者を市場案内

研修風景

「顔の見える能登の食材 直行便事業」というものがある。
能登地方の農家さんが思い思いに野菜を作られ、1個単位から金沢市場に出荷できる取り組みだ。
奥能登地区(珠洲、穴水、内浦町)は先行して2009年から始まっているが、中能登地区(羽咋、七尾)は数年前に組織化されたばかりであり、まだまだ参加者は少ない。

そこで今回、中能登地区の生産者を市場に招き、流通の仕組みを知っていただこうという企画になった。
私は中能登地区の本事業にはほとんどタッチしていないが、せり販売開始前のわずか20分間たらずだが、お越し下さった方々を案内する役を買って出た。

農協の部会組織に入っていない個人農家は、市場流通をあまりご存じでない。
一般的には直売所に出して終わりにしてしまう。
卸売市場に出荷できることすら知らない人も少なくないし、市場に出すと二束三文で取引されるという偏見を持っている人もいる。

こうした人々に市場流通を正しく理解していただき、少しでも利用してもらうようにするのが卸売会社の基本使命である。

幸い、来られた人たちは皆熱心に耳を傾けて下さった。
最初はほんのわずかでもいい。
市場に出荷され、自分の作った野菜の評価を受け止めていただき、次の生産につなげる。
直売所と比較し、うまくバランスを取って全体収益のアップにつなげていただく。

個人出荷者の存在価値は、農業の担い手の減少とともにむしろ高まってきている。
こうした方々へのアプローチこそ卸売市場が力を入れなければいけない重要事項だ。