今朝も4時30分に出社して現場に出た。
おお!会社の者も仲卸業の人たちも目まぐるしく動いている。
なんだか久しぶりな感じがする雰囲気だ。
明日は春分の日で土日連休だ。
一般的に、連休は青果物の消費が活発になる。
人々が出歩いて外食を楽しむ機会が増えるし、スーパー等の売り上げも大きくなる。
これは“世の常”=常識であった。
しかし、コロナ禍で常識が常識でなくなった。
休みでも人々は繰り出さず外食産業は不振を極めた。
昨年は“巣ごもり需要”という特殊なニーズで食品小売業はそれなりに好成績だったが今年になってそれもパッとしなくなった。
だから連休前でもモノは大して動かなかった。
今朝はモノが動いている。
「今日はみんなバタバタしてるね」と数人の仲卸に声をかけると、
「今日くらいそうこなくちゃね!」と返事してくれる人はまだいい方。
“忙しいから話しかけんといて”というオーラを出しながら手と足を動かし続ける人の方が多かった。
うちの社員の岡君は目を釣り上げながらトマトのパレットを積み替えていた。
「手伝おうか…?」と言いかけたがやめた。
なんだが複雑で細かい積み替えをしているようで、要領を得ない者が手伝おうとしても説明するだけ時間の無駄、かえって邪魔…と思われるのが明らかだった。
(後で聞いたらまさしくその時は延着していた荷物が着いた時でてんぱっていたとのことだ。)
慌ただしい雰囲気の市場はいいものだ。
これぞ卸売市場の本来の姿である。
だが皆口をそろえて言うのは「それでも去年の今頃と比べれば大したことない」だ。
昨年同時期は、まだ金沢ではコロナの恐怖は蔓延しておらず、ものすごい数の観光客で金沢は人・人・人の状態だった。
宿泊・人気料理店はどこも予約が取れないほどの人気ぶりだった。
うちの嶋田部長に言わせると「志村けんの死によって潮目が一気に変わり、外出自粛に拍車がかかった」とのことだ。
そういわれればそんな気がする。
志村けんの死は昨年3月29日だ。
あれからほぼ一年。
根本的解決には程遠いながら、なんとかかんとかみんな頑張ってきて、今日という日に繋がっている。
金沢市の繁華街に対する時短要請は3月7日に終了している。
首都圏の1都3県で延長されていた緊急事態宣言もようやく21日に解除されることになった。
すでに東山や金沢駅は観光客らしき人々でかなりの人出だと聞く。
人々のしびれが切れているのは確実だが、やはり政治的社会的な縛りが解かれるととたんに人々の動きは活発になる。
緊急事態宣言なんて意味ない…という評価を最近よく耳にする。
その真偽のほどは私にはわからない。
ただ、経済を回さなければ今度こそ持たない会社が多数出る。
頼りのワクチンもようやくこれから市民が接種できるようになる。
なんとかこのままリバウンドすることなく、終息に向かってほしいものだ。