■週の概況 第13週 3/22(月)~ 3/27(土)
【全体】
連休前で天気良好、桜の開花直前の春爛漫気分で人々の心も浮き立つのだろう。週末の市場は久々に賑わいを取り戻した。首都圏4都県の緊急事態宣言が21日に解除されることもあり、リバウンドには注意しながらも、人の動き・物の動きが回復することを願うばかりだ。
今の市況は馬鈴薯、ネギなど一部を除き野菜は全般に安価であり、数量を売り込むにはもってこいのタイミングだ。特にサラダ野菜の引き合いは強く、潤沢順調な入荷が見込まれるので“値ごろ感あるものを数多く”という販売展開が可能と思われる。多くの企業が会計年度末を迎える次週よりも、この一週間こそが勝負所となる。
果実は冬の主役の柑橘類が徐々に脇に下がり、まだ少ないながらも施設栽培物(メロン・西瓜・マンゴー・桜桃など)が顔を見せ始める。
【野菜】
葉茎菜類ではネギが依然高値基調ながら他は概ね値ごろ感がある。安かったほうれん草は露地減少でやや底上げしそう。人気は春を感じさせるアスパラ、春キャベツ、ふき、ブロッコリー、レタスで、特にふきは筍の炊き合わせにも利用され需要が出てくる。
山菜類は今季は例年より遅めに出てパッと盛りとなり短期で終盤を迎えるパターン。この週はふきのとうが終盤になる一方で、行者にんにくやわらびが増えてくる。菌茸類は需要期から徐々にはずれ動きが鈍くなる方向か。原木椎茸115は終息に向かう。
果菜類も活発に動く期待が持てる。トマトは大玉を中心にやや品薄で強含みながら、ミニトマト、キュウリのサラダ向き野菜はもちろん、ナスやピーマンも増量により安価に振れると見込まれ、値ごろ感が高まる。
根菜類では、人参が小強い傾向だ。人参・大根とも連休中の降雨の具合で週の前半は荷物が薄くなる可能性がある。タケノコは徳島県産が盛りを迎える。全国的に裏年傾向の中、徳島のみが表年のため、この週が販売の絶好機となるだろう。蓮根、甘藷は地物の終盤で徐々に入荷量が減少する。
土物類では馬鈴薯が長期の高値でやや疲れ気味の感あり。玉葱は保合で順調だ。
【果実】
国内果実の中晩柑橘類は、いよかん、せとかが終わり、清見、小夏がこれからの登場だがいかんせん主役格ではない。メインはやはりデコポンで、木熟系も今後出てくる。柑橘に代わって目立ってくるのは施設栽培の果実群=メロン、西瓜、さくらんぼ、マンゴーなどだ。ただしまだ量的に顔見せ程度であり、価格も高値である。対してイチゴは3番・4番花でそれなりに潤沢であり、量販に対応できそうだ。りんごは依然として順調潤沢で値ごろ感ある販売が可能である。
輸入果実ではバナナ、葡萄類、オレンジなどは順調で安定した入荷を見込む。アボカドはやや品薄の展開。目立ってくるのはマンゴーで、ペリカン系のタイ産を中心にアップル系のペルー産の入荷も予定する。政治的背景もあって輸入増量が囁かれる台湾産のパインがこの週から本当に増えてきそう。6月上旬までがシーズンで、芯まで食べられるのが特徴の品種だ。