■週の概況 第15週 4/5(月)~ 4/10(土)
【全体】
新年度となった。昨年はこの時期からコロナ禍のいわゆる“巣ごもり需要”が顕著になり、一般の小売店での青果販売はむしろ好調、逆に業務筋の需要は激減となった。よって今季は、昨年対比でみると販売実績で厳しいと感じる青果店・量販店が多いようだ。しかし野菜は全般に出荷量が潤沢で安価であり、果菜類を中心に動き自体は悪くない状況である。産地としては地元石川県産が目立ってくる。週末に小松のタケノコが初せりを迎え、この週は金沢の胡瓜、太胡瓜が始まる。
桜は観測史上最も早い開花・満開となった。この傾向は果樹にも当てはまるようで、今後登場する果実は、例年より早い出始め・早い切り上がりになると思われる。販売計画も例年より前倒しのサイクルを組む必要があるだろう。
【野菜】
菜類は動きが出てきたものの、価格は横ばいの見込みだ。タケノコシーズンでフキの引き合いは強めである。安値だったブロッコリーは需要が高まりやや浮上すると予想する。ネギは生育期の気候変動の影響が今も残り、ひと月後の関東産が出るまでは高値傾向が続きそうだ。レタス・キャベツは潤沢な出回りで安値安定が続く。
果菜類は順調な生育を見せ、入荷数量は伸びて価格も一層値ごろ感が出てくる模様だ。特に胡瓜は群馬県産が増え、石川県産も始まり、価格はこなれそう。ピーマンも増量する。豆類は主力のスナップえんどうが産地切り替わりでやや品薄になりそうだが、代わってインゲンやそら豆の量が増える予定である。
根菜類の目玉はなんといってもタケノコだ。裏年の産地が多いながらも他県産はこの週にピークで価格も下げる。地物も小松市産が少量ながら火曜から連日販売となる。大根は春物が潤沢で価格は弱含みだろう。蓮根・甘藷は残量勝負になり、徐々に数量が減っていく。里芋はひねものが早期に終了でやや品薄感が出るかもしれない。馬鈴薯は鹿児島本土産の作況が悪く、長期的な高値傾向が危惧される。愛知の新玉葱、高知の新生姜が季節ものとしておすすめだ。
【果実】
国内果実は、中晩柑橘全体が終盤戦で、樹熟デコポンを軸にサンフルーツ、愛媛のカラマンダリンなどを入荷する。メロンはまだシーズン序盤ながら熊本県産のアンデス系・赤肉系が増えてきて、例年より前倒しで大玉傾向が予想される。スイカは熊本、高知、群馬(小玉)よりの入荷だ。桜桃・マンゴーの施設栽培物も徐々に増量となる。イチゴとりんごは依然として潤沢順調である。ビワが増量し、価格も少しずつ下がっていくだろう。
輸入果実では、NZ産のキウイがスタートし、しばらくはゴールドのみで大玉傾向の販売となる。アボカドは冷害の影響で5月GWまでは品薄高値傾向が続く模様だ。バナナは需要期に入って強含みとなっている。シトラス系は変化なし。台湾産パインは引き合い強く、量も前週より増える見込みである。