4月は新年度の始まりであり、会社の新人事のスタートでもある。会社の経営において人事は1、2位を争う大きな案件だ。誰をどのポジションに据えるかは会社の将来を左右する。
よって経営陣の間でも人事案の考え・意見が分れることはよくあり、時に激しい議論となる。当然だ。
異動の場合は、人一人を動かせば元の部署は貴重な戦力を失うわけで、代わりの人材が必要となるのか、残った者でカバーし合うのかが大きな問題となる。
昇格の場合は、本人のモチベーションアップは当然だが、対象から外れた者はメンタルはマイナス方向に振れる恐れがある。人の心は怖い。そのフォローも考えた上での決定でなければならない。
人事は万人が納得する決着にはなかなかならない。また、語弊がある言い方だが、人事案が吉と出るか凶と出るかはやってみなければわからない。多分にばくちに通じるところがある。だが、会社の将来を深く考えた場合、決断するのが経営陣の責務である。そして、たとえ自分の思いと違う結果に決着した場合でも、取締役会で正式に決定がなされればいわゆる「挙国一致体制」だ。会社発展を目指し、全員が一丸となって邁進しなければならない。
今期は例年以上に若手の昇格者が多くなった。若い力に対する期待の表れでもあるし、(現代はどこの企業も同じ悩みを抱えていると思うが)慢性的な人材不足の裏返しでもある。近年は年功序列の人事が少なくなった。実力ある者が先輩を飛び越えて上の立場になる。かつての先輩、上司が部下になる。今回の人事でも新たにその実例が出た。
抜かれた者の辛さは当然あるだろう。抜擢された者にもやりにくさは残ろう。だがそうした諸々の思いを併せ飲んで、会社の継続と発展のため、踏ん張って乗り越えていくのがまっとうな会社のあるべき姿だ。ともに頑張ろう!